ふらり旅

樹氷が見たい![2日目③]黒川温泉を通って岳の湯温泉へ

瀬の本高原の冬の風景

がまだす堂を出たのは16時頃。今回は道路工事の影響でヒゴタイ公園キャンプ村の南側の道を通ることになったが、返ってさらに雄大な風景を観ることができた。

産山村にはナイスアイデアの便利な地図「うぶやま村内マップ」がある。この地図上の交差点には連番がふってあり、実際のその場に設置されている案内掲示板にも同一の番号を記している。なので、看板の番号を確認して、このマップを見れば現在地がすぐさま分かるようになっており、どちらに進めば何があるのかも一目瞭然なのだ。

産山村の公式サイトの村内マップダウンロードページからダウンロードし、利用できるようになっている。

この地図番号でいうと、今回は、16~17の間が道路が工事中だったので、21を出発した後、16→15→14→17→18の順にまわって国道442に出たというわけだ。おー、実に説明がしやすい!

この辺一帯は牧草地だろうか、草原が続く丘陵地になっており、その向こうにたたずむ、雪化粧の九重連山を見渡すことができる。なかなかのロケーションだ。

国道442号線に出たら、左折し西へ。瀬の本高原レストハウスで一旦休憩。そして、さらに西に向かった。

瀬の本から黒川温泉までは2012年に道路が付け替えられ、カーブの少ない道幅の広い快適な道路になった。その上、こちら向きだと、なだらかな下り坂になっていて 実に走りやすい。

そういえば、小国から黒川温泉に向かう道路も今から35年前の1985年に整備されて、格段に走りやすくなったことを思い出した。それ以前は、山里の集落や田畑、山林のの間を、縫うように走る曲がりくねった狭い道。これ1本しかなかった。その道を走っていると、突然、素朴さの中に情緒のある温泉場が現れ、心が浮き立ったのを覚えている。

当時は 小さな川の両側に十数件ほどの旅館が建ち並ぶ ひなびた温泉場だったが、何かしら雰囲気が良く、これから大きく発展する温泉地だと直感した。

「後からだったらなんとでも言えるよね。」と思われるかもしれないがそのときの率直な感想だ。

この温泉街の全体像を掴もうと温泉旅館組合を訪ねたとき、奥の方から熱のこもった声が聞こえてきた。温泉組合の会議だったのだろうか。これから、この温泉場をどうやって盛り立てていくのか、今後の方策について議論しているようだった。皆が連携して活気を作り出している温泉だと感じさせた。それが1つ目の根拠。そして、旅館組合の入口に並べられていたパンフレットを貰って、一つひとつチェックすると、旅館のそれぞれが趣の異なる個性豊かな露天風呂を持っていることが分かった。打たせ湯があったり、洞窟風呂があったり、川のせせらぎを聞きながら入れたり、一度に千人は入れるという大きな露天風呂があったり…。大小様々なお風呂の周りに、できるだけ自然のままの雰囲気で岩や樹木が配置され、素朴な風景を作り上げていた。一発でお気に入りの温泉場となり、その後、何度も通うことになる。懐かしい思い出だ。

黒川温泉が全国的に認知された有名な温泉となった後は、山手の方にも続々と新たな旅館が建てられて、いつ行っても多くの観光客で賑わうようになった。私にとっては、庶民の手が届かない高級な温泉地になったように感じ、少しずつ疎遠になってしまった。

「そういえば、今、旧道はどうなっているのかな?」

黒川温泉バス停の先のT字交差点から旧道に入ってみた。さすがに全国区進出を果たした黒川温泉だけあって、大勢の観光客が道の両側を歩き、賑わっていた。

しかし、温泉街を抜けると、昔のそれとさほど変わらない旧道の姿があった。通行量は少ないが、道幅は狭くカーブは多いので、時折来る対向車と離合する際には気を遣う。ファームロードにぶつかるまでこの道を走ってみたが、20数年前の昔とあまり変わっていなかった。小田温泉にあったキャンプ場からこの道までをぐるっと回るオリジナルのオリエンテーリングコースを作って、こども達と遊んだことを懐かしく思い出した。

ファームロードに出たら、それを北上。わいた温泉郷のどこに立ち寄るかを考えながら走った。わいた温泉郷とは、涌蓋山麓にある6つの温泉、はげの湯温泉、岳の湯温泉、鈴ヶ谷温泉、地獄谷温泉、麻生釣温泉、山川温泉の総称だ。

今回は、岳の湯に行ってみることにした。岳の湯温泉は、集落のほうぼうで地面から激しく蒸気を噴出させている独特な景観の温泉場だ。

はげの湯温泉との分岐点辺りを走行中、右手に夕陽で真っ赤に染まった涌蓋山が見えた。あまりの美しさに、この一瞬の風景を写真に収めたいと、とっさに駐車スペースを探したが。こういうときに限って見つからない。

探している間にクルマはどんどんと先に進み、太陽の角度も変化していく。実際、5分も経たないうちに涌蓋山の夕陽で真っ赤に燃えていた山肌は色褪せてしまった。美しいと思うその瞬間になんとかシャッターを切らないと、二度とその瞬間はやってこないのだ。普段はのんびりと走っていても、周囲の状況を分析しておき、ここぞというときに集中して、適切な判断と行動をとれるようになりたいものだ。

岳の湯温泉に到着

ゆけむり茶屋に着いたのは、17時40分頃。陽が落ちて薄暗くなりはじめの時間だった。ここの表にある第1駐車場には、トレーラーだとスペース的に駐めにくい。そこで、裏手にまわってみた。その先には道の両側から水蒸気が激しく立ち上っている。クルマを空き地に一旦駐め、周辺を歩いて、適当な駐車場所を探した。

ゆけむり茶屋の第2駐車場ならば建物に沿って駐めると辛うじて他の枠線内に駐めているクルマの出入りには支障が出ない。駐めた後、ゆけむり茶屋の受付におられた年配の女性に断りを入れた。トレーラーはヘッド車に連結したままだったので、枠外には駐められなかったのだが、そのことを告げると、快く了解してくださった。ほんとうにありがたい。

なのに今回は、ゆけむり茶屋を利用せず、道向かいの岳の湯温泉露天風呂に入ることにした。少々気が引けたが、20年振りのこの露天風呂がどうなっているか知りたかった。ほんと、わがままでごめんなさい。

この温泉の利用の仕方は次の通り
1. 蒸鶏工房白地商店 で入浴料を払い、鍵を貰う。入浴料はひとり300円。
2.鍵を持って、「温泉」と書いてある高台の建物に移動する。ただし、露天風呂にトイレはないので、必要な場合は移動前に白地商店の道向かいにある公衆トイレに立ち寄っておく。
3.露天風呂は「桜の湯」と「椿の湯」の2箇所あるので、受付で指定された方の南京錠を開けて、中に入る。
4.内鍵を掛ける。内鍵は少々心許ないレトロなフックの鍵だ。
5.入浴する。浴槽はまあまあの広さだが浅い。高台なので見晴らしは良い。
6.入浴後、南京錠を掛けて、鍵を店に戻す。

このスタイルに改装されたのはいつのことだか知らないが、20年ほど前にここに来たときは、混浴の露天風呂だった。

20年前のここの様子。1999年12月撮影

帰路につく

岳の湯温泉街を出たのは、程なく19時という頃だった。湯けむり茶屋を左に出たところは、道の両側から激しく水蒸気が噴出している。陽はとっぷりと暮れていて、周囲は真っ暗になっているし、蒸気が道を隠しているので、慣れていない人は最徐行で慎重に走らないと危ない。

しばらく細い道を走ると岳の湯地獄温泉「裕花」の前に出る。そして、国道387号線に出たら左折。木魂館から北里宮原泉で国道212号線へ。

いつもだったら締めはお気に入りの杖立温泉に立ち寄るのだが、今日は久留米の実家に向かわなければならない。久し振りに杖立トンネルを通って、温泉街をパスした。

道の駅水辺の郷おおやまでトイレ休憩。その後、日田から210号線で実家に向かった。久留米着22時。初めて訪ねた温泉、出会った人、見慣れない風景を堪能した密度の濃い2日間だった。

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