ぐるっと長旅

紅葉の高千穂・阿蘇・九重を訪ねて[4日目②]天岩戸神社東本宮と七本杉、蘇陽峡、うのこの滝、田舎屋

天岩戸神社・天安河原駐車場を出て、350 m、4 分

天岩戸神社 臨時バス駐車場

に到着。カメラを持ってクルマを降りた。先ず気付くのは、西本宮に比べて観光客の数が圧倒的に少ないことだ。

駐車場の様子を写真に収めておくべきだった。仕方が無いので、Googleストリートビューで代用しておく。撮影日は2013年11月となっているので、季節は同じ頃だが、7年前のデータだ。当日の様子を反映したものではないので、心苦しいがお許し願いたい。

天岩戸神社東本宮駐車場のGoogleストリートビュー

左端に移っている道路が県道204号線。駐車場の前を走る道路だ。白いガードレールのところに引かれている白線枠が大型バスの駐車場。写真の右端にクルマが駐まっているところが普通車用の駐車枠だ。

大型バス枠と普通車枠の間を向こうに歩いて行くと、階段の登り口になっている。このストリートビューでは3人の参拝者が降りてきたところなのだろう。この3人の向こう側が東本宮に繋がる階段だ。

その階段の右側に生えている木の右側に人間の身長の倍ほどある人形が写っているが、これが天鈿女命像で、天岩戸神楽29番鈿女(天鈿女命が身振り面白く天照大御神を誘い出させる舞)の像だ。像の前を通ると、センサーが反応し、録音されている神楽の舞の演奏が再生される。そして、それに合わせて天鈿女命像全体がゆっくりと半回転して、その後停止する。

初めての参拝者を驚かせる効果はあるが、天岩戸神楽29番鈿女をイメージさせるのには程遠い動きだ。

鳥居をくぐると階段がなだらかな階段が上へと続いている。

鳥居から海岸が続く

ときどき、上から下って来られる参拝者とすれ違うのだが、不思議なことに、皆挨拶をされる。

たまたまなのかもしれないが、そういった心持ちにさせる神聖な場所なのかもしれないし、そういった気持ちの方こそがここに来て、大切に守り続けている場所なのかもしれない。

階段を上りきると鳥居の向こうに東本宮が見える
手水舎
手水舎には柄杓が2本置かれている
東本宮を裏手の広場から見る
東本宮背面から林の斜面には立入禁止
御神水

杉の巨木の根元から湧き出す水、御神水。無味・無臭で普通に美味しい天然水だ。柄杓に数杯分いただいた。ご利益を期待して欲張ると、返ってご利益がなくなるのかもしれないが、結構がぶ飲みだった。

さらに先に進んだ。そして、

七本杉(天岩戸神社東本宮禁足地)

に着いたのは、13時17分。東本宮の駐車場から850m、21分が過ぎていた。
遊歩道はここまで。この終点のところから七本杉を見学できるようになっていて、道には囲いがあり、囲いを越えて林の中に入ったりすることはできないようになっている。

したがって、七本杉の木の根元に近づいての観察などはできない。

また、ここは丁度、ご神体「天岩戸」の真上にあたるそうだが、当然のことながら、ここから降りていくことなどは許されていない。

七本杉の根元

9本あるように見えるが、根が繋がっているのは、右から7本の杉。

七本杉の上の部分
七本杉は、みやざき新巨樹100選の94番

13時20分に七本杉の見学を終えた。

来た道を本殿まで戻った。拝殿前にはお供えがたくさん並べられていた。ほとんどがお酒。

拝殿に並べられていたお供え
東本宮の神楽殿

そして、階段を降り、天岩戸神社東本宮駐車場に戻ったのは13時37分。

次はどこに行こう…。Googleマップで観光スポットを検索。すると、4㎞ほど離れた場所に尾戸の口棚田がヒットした。

ひむか神話街道/県道7号と県道204号を経由しての4.0 kmを12 分で走り、尾戸の口の棚田の周辺にたどり着いたのだが、クルマを駐める場所を探しているうちに 

石神(いしがみ)神社

を発見した。ここは、天岩戸五社の1つ国常立命を単独で祀る珍しい神社である。古老の口碑によると、三毛入野命の使牛を社傍に祀ったと言われていることから、俗に牛神明神と呼ばれ、畜産の神様として篤く信仰されている。

13時51分から13時57分までの短時間滞在した。

石神神社の入口
手水舎
石神神社拝殿
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石神神社拝殿の側面
御造営記念碑 1970年(昭和45年)に現地に移転したと記されている
例祭は4月の第3日曜日

クルマを190 mほど先の路肩が広くなっている場所に移動させ、尾戸の口棚田の周辺を散策した。

尾戸の口棚田
棚田の間に植わっている柿の木
近くに寄ってみた
石神神社が見える
北の方向
先ほどの柿の木
北東方向
棚田と柿の木
実がしっかりと付いている

14時16分になった。一旦、道の駅高千穂に戻ることにした。カーナビから示されるルートを参考にしつつ、適当に道を選んで走った。それが県道204号線だった。

県道204号線は車幅は狭いが、岩戸川沿いに走る緑深き道だ。

トンネルの前に大戸ノ阿波岐ヶ原水神という祠というか、石碑があった。車がほとんど通らないとはいえ、やっとのことで離合できる程度の狭い道なので、駐めっぱなしにするわけにはいかない。

大戸ノ阿波岐ヶ原水神
鳥居の下からお供えと石碑を一緒に写そうとしたが無理がある

ささっと写真を撮った。振り返ると、手前50㍍ほどのところにも鳥居が見える。こちらは何?ということでダッシュで鳥居の前まで行くと…。

こちらには檍ヶ原水神と…

こんなに近くに別の水神様が祀ってあるんだと思っていたのだが、後ほど、この漢字の読み方を調べてみると…。

「檍」はアオキ、あはき、あわき…と読み、常緑樹の称などと記載されている。

ということは、阿波岐ヶ原=檍ヶ原なのか? 多分そうだ。
クルマを駐められなかったので、周辺散策をすることができなかったのだが、もしかすると、この鳥居のところから階段が続いていて岩戸川に降りられたのかも…。今度は近くにクルマを駐められる場所を探しておき、徒歩でここに来てみたい。

古事記の原文「竺紫の日向の橘の小門の阿波岐原に坐して、禊ぎ祓ひたまひき。」について、深く研究され、詳しく記述されてているこのサイトには

原文「筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原」
筑紫の日向は普通は九州の宮崎の日向のこと。
意外なことに(古事記では)ここまで詳細な地名を書いているところは他に無い。細かくは宮崎県宮崎市阿波岐原町とされます。ここには江田神社があり、ここの沼がミソギをした場所とされています。
いやこの地名には意味が無い
ところが、筑紫も日向も橘も小門もアワギハラも特に意味の無い、言葉(言霊)の集合という意見があり、どの古事記訳本を読んでもここの地名に関しては深い意味は無く、特定の地名を表すものではないという説の方が強いです。

と記述されている。ここが本当のイザナミ命が禊ぎをした場所かもしれない…。その可能性は0では無いということか…。

先に進もう。2つのトンネルを抜け、さらに先でもうひとつ抜けたらT字交差点。そこを右折する鹿狩戸橋を渡る。

ここからの眺めは紅葉が美しかった。しかも向こうに鉄橋が見える。

高千穂橋梁

クルマを駐めて写真を撮ることにした。橋の中央にしばらく立っていると、汽笛のような音が聞こえた。空耳? 確か高千穂線は既に廃線になっているはずだが…。

いつの時代の話か!確かにJR高千穂線から高千穂鉄道高千穂線になり、2005年の台風での被害を受けて、全線が運行休止。その後、全線が廃止された。しかし、民間の力で、部分運行再開のための会社「神話高千穂トロッコ鉄道」が設立され、高千穂~日之影温泉駅間で運転再開。その後、2008年に社名が「高千穂あまてらす鉄道」と改称され、現在は高千穂駅 – 高千穂橋梁間をスーパーカートによる不定期運行が行なわれているのだ。

だったら、汽笛は空耳では無いかもしれない。しばらく待ってみよう…。

すると、橋梁の右側からゆっくりとスーパーカートが現れ、橋の中央で停止した。

橋の中央にスーパーカート
望遠で見ると中央2両の乗客は立ち上がって風景を堪能している
広角で見ると周囲の紅葉が美しい

結構長い間、橋の上に停まっているものだ。
まだ、動く気配が無かったので、こちらがクルマに乗り込み、橋の近くまで移動した。

そろそろ動くのか? 乗務員も乗客も、それぞれ着席したように見える。

近くに寄って見たスーパーカート
スーパーカートのアップ写真

程なく、スーパーカートは出発した。運が良かった!これほどタイミング良くスーパーカートに対面できるとは…。

棚田を出発して、5.7 km。県道204号と県道237号経由で32 分走って、

道の駅 高千穂

に到着した。第2駐車場でトレーラーに異常が無いことを確認した上で、第1駐車場でトイレ休憩。そして、今度は五ヶ瀬の方に向かった。

道の駅から21.2 km、28 分走って

蘇陽峡 駐車場

に到着した。15時20分だ。

国道218号線は実に走りやすい快適な道だ。T字を右折して服掛松キャンプ場の方に入ると車幅は狭くなるが、それでも県道204号線よりは走りやすい。

そして、蘇陽峡駐車場普通車30台、大型3台分の区画がある。公衆トイレもある。

展望台への入口

蘇陽峡は、30万円前から9万年前までの4回の大噴火による阿蘇の火砕流が作った九州のグランドキャニオンだと言われている。

駐車場の長崎鼻展望台こちらの看板から、展望台までは約200㍍。

長崎鼻展望台

若いカップルがU字峡谷の紅葉を眺め、スマホで記念写真を自撮りしようとしていた。自撮りでは構図がなかなか決まらないようだったので声を掛けた。
「シャッター、押しましょうか?」
「ああ、すみません、お願いします。」
「じゃあ、いきますよ~。はいポーズ。(パシャッ!)もう1枚来ましょう。はいポーズ。(パシャッ!)ちゃんと写っているか確かめてくださいね。」
「ありがとうございます。」
彼らはお礼を言って、駐車場に戻っていった。私は、独りで黙々と風景写真を撮っている。

一人での行動は勝手気ままで気も使わなくて済むのだが、このようなときには少しの孤独感と寂しさを味わってしまう。

蘇陽峡のU字峡谷
望遠側にして見る
長崎鼻展望台に至る道はこんな様子
山肌の紅葉だけを切り取ると… こんな感じ

長崎鼻展望台からしたに降りる階段があった。ずっと先に進めば水力発電所がある五ヶ瀬川まで降りるようだが、時間が無いので途中まで降りて、車道を歩いて駐車場に戻った。

なんだかんだいっても駐車場にある木の紅葉は美しかった
1本の木にいろんな色が混在している

15時46分に駐車場を出発した。次は、高森から高千穂に向かう途中に目撃したトンネルの駅だ。

Googleマップで検索すると、国道218号線で道の駅高千穂を通るルートと県道203号線の五ヶ瀬ワイナリーを通るルートが示された。国道218号線経由だと36分、県道203号線だと44分と表示されている。

急がないと閉店時間に間に合わないが、元の道を戻るのは気が進まなかった。それで、県道ルートを選択した。

服掛松キャンプ場の前を通り過ぎ、国道218号線に出たら左折。そして、ごかせ観光協会のある交差点を左折して、県道に入る。

間もなく、五ヶ瀬の里キャンプ村&ゲストハウスの前を通り過ぎたとき、右に「うのこの滝」の看板を目撃した。

先を急いでいたのだが、妙に気になるうのこの滝。蘇陽峡駐車場から6.1 km、11 分走ったところでUターン。うのこの滝に向かった。

県道から入った道は、駐車場まで700㍍だが、極端に道幅が狭く、クルマが1台やっと通るくらいだ。しかも、道の両側には蓋のない溝があるところがあったり、崖になっているのにガードレールが無かったりする場所もある。離合できるところも極端に少ない

15時57分に駐車場に着いた。そして、ここからは徒歩で400㍍ほど山道を下っていく。片道10分ほど歩く。

駐車場の端っこからこんな道を歩いて行く
急な階段をしたへと降りていく

うのこの滝

16時12分から16時32分まで滝を眺めながら過ごした。初めは、遊歩道の先端から見る。

遊歩道の先にうのこの滝がみえる
うのこの滝
少しアップで撮る

今度は、滝壺の池の砂浜に行くために、藪をかき分け、獣道のようなところを降りていく。

うのこの滝の正面の砂浜から見る
滝壺の反対側は紅葉が美しい
遊歩道から砂浜に降りるときに障害なっている藪
辛うじて獣道のような跡が残っている
さあ、今度は駐車場まで登山になる
風歩道の右手にもうひとつ滝が見えたが、木の枝が滝を隠している。

これが、しいやの滝のようだ。

駐車場に戻ったときは、杉の枝が夕陽の金色に染まっていた

うのこの滝から徒歩400m、10分ほどで上ってきた。

うのこの滝 駐車場

16時45分に駐車場を出た。もうトンネルの駅の閉店時間には間に合わないが、このまま先に進むことにした。

夕日の里大橋を渡っていると、その景観は美しかった。だが、橋の上での停車はできない。そのまま走っていると、渡りきったところの駐車スペースを見つけた。とっさにハンドルを右に切り、そのスペースにクルマを駐めた。
すると、間もなく、後から走ってきたひとり旅だと思われる女性も同様の行動をとった。クルマを停め、写真を撮ろうとしているようだった。

橋の中頃まで行かないと、良い景観を撮ることはできないのだが、中央部には高いフェンスが設置してある。これは人命を守るためなので、やむを得ないのだが、せめてフェンスの網の目の大きさを、カメラのレンズが差し込めるほどの大きさにしていただくと、写真を撮りやすくなるのだが…。身勝手な要求だろうか…。

夕日の里大橋 このようにほとんどクルマは通っていない
橋から東方向 画面右上にフェンスが映り込んでいる
橋から西方向
太陽が西の山影に沈むほど東側は下から暗くなっていく
下半分が影になった

うのこの滝から2.6 km、途中、夕日の里大橋で写真を撮ったりしたので15 分掛かって

いなか屋

に到着。17時00分だった。いなか屋とは、五ヶ瀬町桑野内にある無人販売所だ。当初から立ち寄ろうとしていたのでは無い。夕日の里大橋を渡って、県道8号線にぶつかるT字路を左折したとき、たまたま視界に入って気になったので寄ってみた、というのが正しい表現だ。

このようは無人販売所が目に入った

私がこの無人販売所の前を通過したとき、棚には野菜を初めとする様々な商品が結構並んでいたのが目に入ったのだ。
「珍しい。」
数十㍍も行かないところでクルマを停め、Uターンして、戻ることにした。

最近、見かける無人販売所、いや無人販売所跡かもしれないが、大抵の場合、商品などは並べられていない。この状態を見て勝手に、今はこういうシステムが成り立つ時代ではないのだと決めつけて勝手に納得していた。商品をただで持っていく人がいるだろうし、料金箱を盗むやからもいるだろう…と。

しかし、この地では無人販売がまだ成立しているのだ。なんだか嬉しい気分になった。

いなか屋

戻ってみると、店の前に軽トラが2台停まっていて、それぞれを運転していた男性ふたりが品定めをしていた。
「こんにちは。ここはいつもこんなに品物が並んでるんですか?」
「いなか屋さんは大体こんな感じですよ。たいがい置いてありますよ。」
「珍しいですね。こんなに品物が並んでる無人販売所は。普通、ほとんど置いてないじゃないですか…。」
「あれでしょ。代金が入っていなかったり、料金箱を盗まれたりでしょ。ここはそういったことは無いみたいですよ。」
品物を出して、ときどきチェックに来ている農家の方かと思いきや仕事帰りに立ち寄る常連客だった。

そうか、ここでは、被害は無いのか…。ますますいい気分になった。

私も何か買い物をしよう…。
クルマに財布を取りに戻って、中身を見た。
小銭を入れるところのファスナーを開けて、確認すると、123円…。

商品が所狭しと並んでいる

そういえば、2日前の夜に内牧温泉に行った時もこの失敗を犯したのだった。財布を確認すると、500円玉1枚と100円玉1枚、後は10円玉と1円玉が数枚しか入っていなかったのだ。

100円玉2枚がない。だから、入浴料を料金箱に投入するタイプの七福温泉を諦めて、宝湯に行ったのだった。宝湯に入れたことは、もちろん良かったのだが、そのことが問題なのでは無く、普段100円玉を準備していないことが問題なのだ。宝湯では、女将さんに500円玉を出し、100円のお釣りをもらったので、そのとき、財布の中には100円玉が2枚になったのだが、その後、高森トンネルの湧水汲み場で100円玉1枚を使ったので、今は残りの1枚だけ…。

が~~ん!! せっかくここの無人販売所は非課税の100円ショップみたいに、ひとつ100円で統一されているのだが、お釣りが貰えない以上、私は1つの商品しか買えないのだ!
早く無人販売所でもキャッシュレス決済ができる時代になって欲しいのだが、現時点ではそんなことを言っても始まらない。

仕方ない…。どれを買うかひとつ選ぼう…。

菊芋かかぼす…。う~~ん、やっぱり⑥のかぼすにしよう。今夜はかぼすを焼酎に入れて吞んでみたい。⑥って、6個入りってことかな?

そう思案しているときに、次のお客さんがやってきた。農家の方らしい、5~60代の女性客だ。常連みたいで慣れた感じの方だった。
「こんにちは~~。こんなに商品が並んでいるの珍しいですね。品物が持ち去られたり、代金が盗まれたりしないんですかね。」
「いや、以前はあったみたいですよ。錠前のつるが切られて、お金を持っていかれたそうです。」
あれれ、やっぱりあったんだ…。なんともいえない気持ちになったが、それでも続けておられるのだ。
「そうなんですかぁ…。で、すみません。この代金はどこに入れればいいんですか?」
「何番になってます? ⑥番ですね。この箱に入れればいいんですよ。」
「あっ、なるほど、この数字は料金箱の番号なんですね。わかりました。ありがとうございます。」
と言って、⑥番に唯一の100円玉を投入した。
「どちらから来られたんですか?」
「福岡からです。」
「そうですかぁ~、じゃあ、これ2本持っていってください。」
と言って、白ネギを2本組を2セット手渡そうとされた。この女性は出品者だったのだ。
「いやいや、そんなそんな…。ちゃんと払いますよ。」
「そうですかぁ、なんか無理矢理かわせたようになってしまいますけど、じゃあ200円いただいてもいいですか?」
「ところが実は…今100円玉を持っていなくて…。1000円札しかないんですけど。お釣りはありますか?」
「あらら~、財布を家に置いてきたのよね~」
と言って、女性は料金箱も開けて確認してくれたのだが、明らかにお釣りとしては足りなかった。
「明日はどちらに行かれます? こちらにはもう来られないのですか?」
「そうですねぇ、まだ明日どう動くかは決めてないんですけど…。たぶんこっちには来ないですね~」
「そうですか、じゃぁ、やっぱりお金はいいです。持っていってください。」
「ええ~、すみませんねぇ。もし、100円玉が見つかったらどこに入れればいいですか?」
「⑩番に入れてください。」
「わかりました。」

私は白ネギ2セットをいただいた形になっている。申し訳ない。カバンの中、あるいはクルマのどこかに100円玉2枚ぐらい落ちていないかと、必死で探した。

が、こんな時に限って、どこからも見つからなかった。

その⑩番の女性はいつの間にか帰られていた。

何とかならないものか…。

ふと、道路の反対側に目をやると…。自動販売機があるではないか!
ちょうどコーヒーが飲みたかったところでもある。

道を渡って、自動販売機に1000円札を入れ、缶コーヒー100円のボタンを押した。お釣りのボタンを押すと、100円玉✕9枚が戻ってきた。

道の反対にある自動販売機

急に自由に使えるお金が確保できて、俄然、購買意欲が高まった。⑩番の料金箱に300円を入れ、しいたけも1袋いただいた。それから①番の菊芋とお茶も買って200円を投入した。一件落着だ。言い買い物ができて、スッキリした。

いなか屋を17時20分に出発した。すでに周辺は暗くなりつつある。それでもなお、当初の予定通り、先に進んだ。

かすみの向こうに阿蘇五岳

ところがである。いなか屋から7.8 km、16 分走ったところでまさかの全面通行止め。Uターンを余儀なくされた。

17時39分。

結局は、元の道を戻って、国道218号線に出て高千穂方面に向かうことになったのだが、やむを得ない。

今日は、外食しよう。Googleマップで検索すると数軒、人気のある定食屋系の店が出てきた。だが、今日が水曜日だということもあって高評価と現在営業中の店に絞り込むと、私のニーズに合う店は、ともえまる食堂だけになってしまった。

この店は、道の駅高千穂徒歩でも行けるほど近い。もちろんクルマで行くのだが…。ということでここに決定した。

全面通行止めでUターンを余儀なくされた場所から、25.6 km、45 分走って

ともえまる食堂

付近に到着した。ともえまる食堂駐車場は、隣の店の隣にある空き地だそうだ。最初は分からなかったが、程なく判明した。

ともえまる食堂 入口

18時29分、扉を開けて入店した。
奥の座敷席にもカウンター席にも先客がいた。
「まだよろしかったですか?食事できます?独りなんですけど…」
と言うと、感じのいい若い女性の店員さんが
「どうぞ、大丈夫ですよ~。」
と言って、カウンターの席に導いてくれた。

厨房ではもうひとり、年長者の女性スタッフが黙々と料理を作っている。どうも、おふたりで切り盛りされているようだった。

メニュー

さて、何をオーダーしようか…。

チキン南蛮定食 800円と南蛮丼並+うどん小セット 980円で悩んだが、初めて来た店でもあるし、人気もあり一番オーソドックスと思われるチキン南蛮定食に決定。オーダーした。

オーダーしたチキン南蛮定食

程なくして、チキン南蛮定食が運ばれてくる。
「ごゆっくりどうぞ~~」
「ありがとうございます。いただきます。」
チキン南蛮は肉厚でジューシーでたっぷり。サラダにご飯とみそ汁、小鉢付き。すべて手作りの自家製に拘った店だ。

美味しかったので、聞いてみた。
「この店、いつからやっておられるんですか?」
と聞くと
「去年の7月からです。その前は別の経営者が違う名前でお店をやっておられましたが、去年の春に辞められて、ここが空いたんです。近くに、この店と同じ名前の居酒屋があるんですけど、そこは夜だけの営業なので、昼はこちらで食堂をやっているんですよ。」
「そうなんですね。だから美味しいんですね。」
「じゃあ、こちらの営業が終わったら、居酒屋の方に行かれるんですか?」
「たまにそういうこともありますね。」
笑顔がステキで感じいい…。宮崎の地域性だろうか…。宮崎にはこんな感じの人が多いような気がする。
それに、味付けがいいのは、近くにある居酒屋智恵丸のノウハウを引き継いでいるからのようだ。その店にも興味が沸いた。
「今日、Googleマップで定食屋を検索し、高評価、現在営業中でフィルター架けたら、ここが出てきたんですよ。19時まで営業となっていたので、急いできました。」
「ここの営業時間は本当は11時から14時までなんですよ。基本は昼だけなんです。ときどき、19時まで開けてることがあるぐらいです。」
「えっ? そうなんですか。じゃあ、私は運が良かったんですね。」
Googleマップには毎日19時まで営業で定休日なしとなっていたけど、それは間違いのようだ。営業時間は不定期的に変動しているようだから今度、ここを訪ねるときには、事前に電話して確認する必要がある

カウンターに置かれたチキン南蛮定食

PayPayで支払いを済ませ。店を出た。せっかくなので、ディスカウントドラッグコスモス神殿店に寄って、買い物をした。コスモス現金決裁しか無い

19時20分に店を出て、350 m、2 分走って道の駅 高千穂に到着。19時23分。

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