ロケット打ち上げ見学のために内之浦へ[2日目]錦・くらんど公園、関之尾滝、北前公園、桐原の滝、悠久の森を散策三昧
さあ、2日目になった。昨日は道の駅錦まで走ってきたものの、ここは人吉の東で、まだ熊本県。内之浦までの半分をちょっと過ぎた程度だ。明日の夕方までの2日間で、さらに大隅半島の内之浦まで南下する。距離的には余裕だが、ただ走れば良いわけではない。気になるところにはきちんと寄って、風景や味、人と出会わなければならない。
さて、今日はどんな1日が待っているのか…。楽しみだ。
2021年7月18日(日)の行動履歴
宮崎県、熊本県、鹿児島県、その他 1 個の地域 <車移動> 144 km 4時間3分 <徒歩移動> 2.9 km 1時間5分 道の駅 錦 駐車場 8:12 ↓ 車- 45.5 km 1 時間 10 分 国道221号 経由 一旦停めた 9:22~9:41 ↓ 車- 38.5 km 57 分 みやまきりしまロード/広域農道 経由 北前公園 10:38~10:50 ↓ 車 - 5.3 km 12 分 県道107号 経由 溝ノ口洞穴 11:02~11:48 ↓ 車- 10.1 km 20 分 県道2号 経由 Uターン 12:08~12:10 ↓ 車- 900 m 3 分 県道105号 経由 桐原の滝 12:13~13:00 ↓ 車- 1.0 km 3 分 県道105号 経由 悠久の森駐車場 13:03~13:13 ↓ 徒歩- 2.9 km 1 時間 5 分 悠久の森駐車場 14:18~14:21 ↓ 車- 13.9 km 25 分 県道2号 経由 北前公園 14:46~15:56 ↓ 車- 2.9 km 5 分 県道107号 経由 山元精肉店 16:00~16:08 ↓ 車- 7.5 km 14 分 県道108号 経由 宮崎三菱自動車 都城店 16:21~17:03 ↓ 車- 1.2 km 2 分 国道10号 経由 エネオス セルフ都城インターSS 17:05~17:14 ↓ 車- 8.4 km 16 分 国道10号 経由 ダイレックス 都原店 17:30~17:53 ↓ 車- 3.4 km 6 分 財部温泉健康センター 17:59~19:17 ↓ 車- 5.6 km 12 分 母智丘トンネル 経由 北前公園 19:28
道の駅 錦 駐車場
昨夜、道の駅錦に到着したのは、21時半を過ぎ。街灯はあるものの大半は闇に包まれていたので、道の駅の全体像が把握できなかった。
しかし、朝になって、車外に出てみると、隣に広大な公園を持つ道の駅だった。起床は6時半頃。トイレを借りに外に出ると、トイレの隣にある大きな東屋のような休憩室の壁に、ツバメが4羽集まっている。しかし、とまれる場所は狭く、防犯カメラのレンズの上と付け根の四角い箱の上だけだ。だから、3羽がとまるのが精一杯。
だけど、もう1羽は、それでも仲間と一緒に居たいのか、壁に捕まったり、ホバリングしたりして、必死で距離を縮めようとしている。しばらく様子を眺めていたのだが、ちょっとだけ、センチメンタルな気分になった。
「おはよう~~、僕も仲間に入れてよ。そこにとまって良い?」
「いいけど、狭いよ。とまれる? 壁なら広いからどこでもとまれるよ」
「そうだね…」
「う~~ん、とまってみたけど、なんかキツいんだよな。相当しっかりと掴んでないと落ちそうになる…」
「ねえねえ、やっぱりそっちに行っても良い? こっちは寂しいし、とまっているのが凄く大変なんだよね。」
「もちろん、こっちに来てもいいけど、場所は狭いよ。ちゃんととまれる?」
パタパタ、パタパタ…
「やっぱり、狭すぎて、ここしかとまれないや。誰か交代してくれないの?」
錦まちの案内板が掲げられている建物が休憩所で、4羽のツバメたちの物語は、その向こう側の壁で繰り広げられた。
この流れで、道の駅の隣の公園を歩いてみることにした。本日、1つ目の散策開始である。
ここの公園名は、錦・くらんど公園…。「グランド」ではなく「くらんど」だ。ここ錦町は、兵法タイ捨流の流祖丸目藏人佐長恵が、晩年をこの地で過ごしたことに因んで命名されたのだろう。
下の写真でいうと階段を上がったところにある銅像の方。
この銅像が置かれている場所は、錦・くらんど公園の中央に位置し、高台になっていて、「ふるさとの丘」と命名されている。この高台からは、公園内のどの方向も見渡すことができる。
年季が入っているので、壊れている部分もあるが、なかなか立派な遊具だ。遊びに来るこども達のために、故障箇所は修理して、立入禁止を解いていただけるとありがたい。
錦・くらんど公園は、ふるさとの丘を中心にして、周囲を芝生の広場や池が囲んでいる。そこに遊歩道が整備されているので、朝から地元の方がウォーキングに利用されていた。
丘の上から眺めたら、どこをどれぐらいの人達が歩いているのか、一望できる。私も下に降りて、遊歩道を歩いてみることにした。
すれ違う人は、どなたも気さくに「おはようございます。」と挨拶をしてくださった。朝から気持ちが良い!
私も西側から北側、そして東側へ遊歩道を歩き、最後に錦池を訪ねてみた。
すると、そこには仲良し5人組? いや、仲良し5羽組の鴨たちが泳いでいた。そして、もしかしたら合鴨、あるいはアヒルと言う方が適切かもしれないが、その辺は拘らないことにする。
錦池のほとりにあるナンキンハゼの木に集中している間に、アイガモの仲良し5羽組は、上陸していた。
朝の沐浴と運動は終わったのだろうか…。
錦・くらんど公園をぐるっと散策し、地域の方々と挨拶を交わしたり、や仲良しツバメ4羽組やアイガモ5羽組と出会って楽しいひとときを過ごした。
錦町農産物等直売所くらんど市には、次々と地場産の野菜や加工品が運び込まれていたが、まだ開店前。建物の外から、中の様子をうかがっていると、店長さんとおぼしき方が近寄ってきて
「まだ準備は整っていませんが、それでもよければ…。どうぞお入りください。」
と言ってくれた。なので安心して、入店し、店内をぐるっと見させていただいた。集まって開店準備を進めている人達も、お店の方も皆、気の良い親切な方ばかりだった。
ただ一方で、今日は早めに出発して、南下しなければならない。なので店を出た後はトレーラーの中を簡単に整理して、出発準備を整えた。といっても昨日から大したことはやっていないので、片付けも簡単。荷物を若干移動させることと、電源ケーブルを抜いてアウトリガーを上げる程度だ。
今日は日曜日でもあるため、くらんど市にはたくさんのお客さんが来られるのだろう。イベントの準備も進められていた。少々気になったが、今回は失礼して、8時12分には道の駅を後にした。
↓ 車- 45.5 km 1 時間 10 分 国道221号 経由
一旦停めた
のは、9時22分。結構順調に走っていたのだが、えびの市を通って、小林市の南側を走っていたところで何故か睡魔が襲ってきたからだ。路肩にクルマを寄せて、しばらく仮眠した。序でにルートの確認も行った…。
そして、9時41分に再出発した。
みやまきりしまロードを走った。
高原町には、友人が移住しているが、今回は訪ねるだけの時間的ゆとりがない。そのまま南下した。
その代わりと言って葉なんだが、御池の河畔に、短時間、休憩しようかと考えていたのだが…。
国道から右に折れて、御池の湖畔に降りて行く道は入口のところが工事による全面通行止めになっていた。ここが、通行止めだということは、湖畔には行けないということか? 進入できないと分かったときには、こんなこともあるのかとハッとしたが、意外と気持ちはすぐに切り替わった。
今日は、その日ではない、と理解した。自然の流れに身を委ねることもたまには良い…。
再びアクセルを少し踏み込んで、全面通行止めになっている道の前を通過した。そしてさらに、南下を続けることになった。
↓ 車- 38.5 km 57 分 みやまきりしまロード/広域農道 経由
北前公園
に着いたのは、10時38分。県道107号堤庄内線から左折して、細い道を入ってくるのだが、それが功を奏しているのか、駐車場は空いていて、環境も静かだ。
公園自体は目立たないながらも、ネーミングは一段上からだが訪問を要請している。
「来たまえ!公園」と…。
トレーラーを駐めて、歩いてみる。
駐車場は広く、トイレも完備されている。
看板の右下には、農業用水水源地域保全対策事業(普及促進対策)/水土里流域保全対策運営協議会とある。
とりあえず、トレーラーだけここに駐めて、周辺散策に出掛けることにしよう。10時50分出発。前回、行きそびれた溝の口洞穴とその周辺に向かう。
↓ 車 - 5.3 km 12 分 県道107号 経由
溝ノ口洞穴
には、11時02分分に到着した。駐車場にクルマを駐めて、公衆トイレの前を通り、溝ノ口洞穴への参道を歩く。
溝ノ口洞穴は、サイズが 14.6 m × 6.4 m × 209.5 m の巨大な洞窟。約33万年前に加久藤カルデラから噴出した加久藤火砕流堆積物が浸食されてできた谷地形に、今度は約2万9千年前に姶良カルデラから噴出した入りと火砕流が厚く堆積。熱と圧密により堅い溶結凝灰岩に変化した。それが、長い年月の間に浸食と崩落を繰り返して、現在の洞穴が形成されたそうだ。莫大なエネルギーと途方もない年月を使って形作られた自然の芸術品だ。神秘的なパワースポットであり、地質学的に貴重な教材でもある。
地元には、ここから犬を中に入れたら、高千穂峰に出てきたという伝説もあるそうだ。
溝ノ口洞穴から高千穂峰までは直線距離で約12㎞。高千穂峰は標高 1573m。それに対して溝ノ口洞穴は海抜229m。高千穂峰とはいっても山頂ではなく、その周辺部に出てきたと考えても、この伝説を実現させるためには、暗闇の中を10㎞以上、高低差1300㍍以上登らなくてはならない。沢登りになっている場所もあるだろう。
犬といえども、相当なメンタルと状況判断力が要求されたはずだ。
その伝説になった犬は、実在していたとするならば、前犬未踏の記録を達成した後、人間社会でどのような生活を送ったのだろうか…。
奥行きは 209.5 m のハズだが、それよりもずっと手前で一般入洞者は立入禁止になっている。洞内左側には湧水が流れている。
読みづらいので、前半だけ書き出すと…
今は知る者とてない昔から穴の入口前面岩に磨崖佛が刻まれてあり、地区民は馬頭観音として毎年四月八日には踊りを奉納し盛大に祭をしてきたが、長年月の風水に佛像の一部が崩落して数年経過。修復しても又崩落する恐れがあるので新たに建立することとなり壮年団体である溝之口青友会が中心となり…(後略)
岩穴観音建立由来の前半
若いガイドさんが、元の磨崖仏があった場所などを丁寧に説明してくれた。
洞内は次々にカップルや家族連れ、グループなどが訪れて、賑わっていた。そうか、今日は日曜日だからということもあり、観光客が多いのだ。
クルマに戻って、11時48分、次の場所に向けて出発した。
↓ 車- 10.1 km 20 分 県道2号 経由
ちょっと道を間違えて
Uターン
しただけのこと。12時08分頃。
↓ 車- 900 m 3 分 県道105号 経由
桐原の滝
の駐車場には、12時13分に到着。ここは、溝ノ口洞穴とは打って変わって、誰もいなかった。閑散としている。
あえて隅っこに駐めた。
桐原の滝は、正面の公園向こうに流れている溝ノ口川の右手方向にある。正面の公園に降りる道は、現在地の左に40㍍のところか、右に25㍍のところに入口がある。
滝も右側なので、右の道から降りることにした。
すると、こちら側は、遊歩道になっていて、階段が下まで続いていた。
ここまで降りてきたときに、階段を降りてくる若い女性3人組が見えた。そして、四阿付近から滝を眺めている。
この橋からは障害物なしに桐原の滝を正面から捉えることができるのだが、先ほどの女性3人組は、ここまでも来ない様子だ。まだ、四阿のところで佇んでいる。
こちらから滝に近づこうとしたが、あるところから草ぼうぼうになっており、ズボンが汚れそう。今日は山歩きの格好ではない。
草をかき分けて進む気持ちには成れなかった。前進を断念して元の道を戻ることにした。
四阿にいた3人組は、また階段を上って帰っていった。
駐車場に戻ると、クワガタムシが、白昼堂々、アスファルトの上を歩いていた。先ほどの、ニホントカゲにしろ、このクワガタムシにしろ、人間のテリトリーに平然と姿を現すものだ。
クルマに乗り込んだ。さあ、次はどこに行こう? すぐ近くに、悠久の森というところがあるぞ。じゃあ、そこに行ってみよう。
ちょうどそのとき、もう1台のクルマがやってきた。そして、降りてきたのはカップルだ。
出会って間もないカップルならば、ドライブプランは腕の見せ所だと気合いを入れているかもしれないが、気持ちが盛り上がっているカップルならば、寂しい場所でも輝いて見えるのかもしれない。もしかしたら、もはや行く場所はどうでも良いのかもしれない…。ところが結婚して安定期を過ぎ去ると、一緒に行動しなくなるカップルも少なくない。そういえば、昨年9月に白馬八方池で目撃した服年夫婦とおぼしきカップルは、ベンチの腰掛けて、一緒に白馬三山を眺め、物思いにふけっていた。理想的な夫婦像だ。
いろいろと頭の中で思い巡らしながら、13時00分にクルマを出した。
↓ 車- 1.0 km 3 分 県道105号 経由
悠久の森駐車場
には、13時03分に到着。クルマを降りて、カメラと三脚を後部座席から取り出した。
そして、歩きながら、カメラストラップを首に掛け、いつでもシャッターを切れるようにカメラケースを開こうと、フックに手を添えたその瞬間。チカ!っと、右手に電流が走った。痛っ!
思わずカメラから手を離した。ストラップがあったのでカメラを落とすことはなかったが…。
何が起こったかよく理解できないまま、もう一度、カバーフックに手を伸ばす…。すると、またもやチカッとさっきと同じような激痛が! なになに?いったい何が起こってるわけ??
すると、アスファルトの上に黄色い小さな猫じゃらしのようなものが落ちて、動いていた。
何じゃこりゃ…。
覗き込むと、小さな小さな毛虫…。
刺されたところが、みるみると膨れてきた。痛がゆい。後で分かったことだが、これはイラガの幼虫。刺されたときは、ガムテープのような粘着テープで刺されたところから、毒毛を抜き去り、傷口を冷水でよく洗うと、痛みや腫れを抑制することができうそうだ。そして、最後に抗ヒスタミン剤を塗って、気になるrなら皮膚科へということだった。
<後日談>
しかし、このときは、何もせず、放置したので、数日間は晴れが引かないままだった。結局は跡形もなく治ったのだが…。結構傷口の痛がゆさが続いた。
恐るべし!イラガの幼虫!
さあ、早速ウオーキング開始!
駐車場から先はこのような道が続く。
前方に2~30人のグループがゆっくりと歩いている姿が見えた。もしかしたら停まっているのかもしれない。
こちらも写真を撮りながらなので、それほどスタスタと歩いているわけではないが、やはりこちらの動きが速いようで、徐々に間が詰まってきて、結局は追い付いてしまった。
「すみませ~ん」と言いながら間を抜けさせて貰ったのだが、追い抜く人達が皆、女性ばかり…。しかも、若い人からある程度の人達まで…。確か男性は案内誘導しながら何かの解説していた人だけだったように思う。森の植物についての説明だったように見受けられたが、聞き耳を立てていたわけではないので良くは分からない。
幼稚園か保育園の先生方の研修旅行?それとも化粧品メーカーの慰安旅行?
悠久の森の生態系や動植物の話が聞けるのなら、しれっと紛れ込んで説明を聞きたいのだが、このような女性ばかりの団体だと、紛れ込むのはほとんど不可能だ。
諦めて、ひとり先に進んだ。
そして、道から河畔に降りてみて、写真を撮ったり…。
はたまた、今度は階段を上がって、何があるのかを確かめてみたり…。
決して、先ほどの団体が追い付いてくれるのを待っていたわけじゃないのだが、その後、そのグループに再会することはなかった。
滝の左手にある石段を上がると、祠があった。
道の戻って、先に進む。ときどき、川に降りてみる。
ところどころに休憩所があったり、ほんの数台だけ駐められるような駐車スペースもある。どうやら、この道は歩行者専用ではなく、クルマも進入して良いようだ。
道端にぽつんとクルマが駐まっているので、川の方をみてみると、水遊びをしている小さなこども達とその様子をじっと見守っているお母さん達がいた。
都会ではなかなか体験できない大自然の中での水遊び。この周辺のこども達には引き継がれている。現代においてもこのような経験ができるこども達は幸せ者だ。
スタート地点から1500㍍以上歩き、ようやく四阿に到着した。雲行きが少し怪しくなってきたので、まだ途中だが、ここで折り返すことにした。
不思議な形の木の根っこ。勝手な解釈をしてみた。
普通に生えていた木が、増水時に根の周りの土だけ持っていかれ、その後、水位が元に戻ったので、表面に出た根が幹のように太くなったのではないだろうか…。自然はたくましい。
↓ 徒歩- 2.9 km 1 時間 5 分
悠久の森駐車場
には、14時18分に戻ってきた。今日もよく歩いた。さあ、一旦、トレーラーに戻ろう。14時21分に駐車場を出た。
↓ 車- 13.9 km 25 分 県道2号 経由
北前公園
に戻ったのは、14時46分。
しばしの休息。ベッドに横になった。
そして、原が減ったので、辨当を食べた。
食事をすると元気が出る。
さて、今後の行動計画を立案しなければ…。アウトランダーPHEVに充電と給油は必要だ。特に給油はコストを下げるためには単価の安い大きな街でやらないと…。それと、食材の買い出しも…。
そして、風呂にも入りたい。安心感で言えば、一度行ったことがある観音さくらの里の温泉。風呂の種類が豊富で、入浴料が420円。
やまだ温泉交流センターもよかった。泉質が良く、310円とリーズナブル。
でも、せっかくだから、まだ行ったことのないところは?
かかしの里 ゆぽっぽはまだ未体験だが、上記の2ヶ所と同系列のようだ。
珍しさで言えば、堀切温泉。これはこぢんまりした古き良き時代の共同浴場のようで、かなり興味をそそる。
そして、幸福温泉 Happy You。これは街中にあるサウナ付きの天然温泉。
いろいろあってずいぶん迷ったが、今回は一番近い、財部温泉健康センターに決めた。
着替えと洗面具を持って、15時56分に出発した。
↓ 車- 2.9 km 5 分 県道107号 経由
宮崎県道31号霧島バードラインを走っているときに、店舗の入口にバナナがたくさん並べてあるのが目に入った。そういえば、午前中に北前公園に向かっているときも、その光景を目にして、気になっていたのだった。
とっさに路肩にクルマを駐め、ハザードを点滅させ、クルマを降りた。
山元精肉店
16時00分。店先に行くと、バナナが10本前後の房で並べられていた。しかし、値段が書かれていない。
扉を開けて、中を覗くと、そこにも誰もいなかったので、声を掛けた。
「すみませ~ん。ごめんくださ~い。」
すると、奥から返事が聞こえ、女将さんが出てこられた。
「ああ、こんにちは。すみません。外にあるバナナは売り物ですか? 値段が書いてなかったもので…。」
女将さんは履き物を履いて外に出てこられた。
「すみませんねぇ、主人が居た頃はもっと商品を並べてやっていたんですけどねぇ。」
といいながら、バナナをみて、
「こちらは、だいぶん熟してきているので、200円で良いですよ。」
と。しかし、明らかに10本以上付いている房だったので、これは多すぎるかも…。
「ひとりなんで、多すぎるかなぁ…。半分というわけにはいきませんか?」
「いいえ、いいですよ。ちょっとまってくださいね。」
ということで、半分にしてくれた。6本以上は付いていたと思う。それで100円だった。
女将さんの息子さんだろうか、男性も出てこられた。先ほどの女将さんの発言が気になってはいたのだが、その話題に触れることができず、自分のことばかりを喋ってしまった。
「実は、朝、この前を通って北前公園に行ったんですけど、そのときから店先にあったバナナが気になっていたんですよ。ちょうど、バナナが食べたいと思っていたところだったんで…。でも、駐める場所がないし、先を急いでいたので、通り過ぎてしまいました。溝ノ口洞穴や桐原の滝、悠久の森を回ってきました。ご存知ですか?」
おふたりとも、なんとなく思い浮かべているようだったが、確信が持てない様子。それはそうかもしれない。お店を毎日開けて商売をされている人は、比較的近くの観光地といえども、いかない、いや行けないのかもしれない。
それに、中の陳列棚には空きが多く、品数が少なかった。女将さんの話によると、最近、どうやらご主人が亡くなられたようで、それからというもの仕事に身が入っていないご様子。弱気になっておられた。もういつ締めるかの時間の問題のようなことも言われていた。
だけど、こういうときに、どう声を掛けたら良いのか、全く分からない。情けない限りだ…。
ご主人のことは具体的には何も聴けなかったので、具体的なことは全くわからない。しかし、たぶん相当、頼りがいがあって、大好きだったのだろう。そうであればあるほど、失ったときの反動、喪失感は計り知れないに違いない。
16時08分、無力感を味わいつつ店を出た。
また、今度、この道を通るとき、お店が開いていて欲しいと思うのは、私の身勝手な思いだろうか…。Googleマップの口コミには、こちらの地鶏のたたきが絶品だとの書き込みがある。できることなら、次回はこれとバナナを購入したいのだが…。ぜひ店を続けていてほしいものだ。
↓ 車- 7.5 km 14 分 県道108号 経由
宮崎三菱自動車 都城店
には、16時21分に到着した。
ここで、30分間の充電を行った。駆動用バッテリーに電気を溜めておかないと、トレーラーに電気を供給する際、勝手にエンジンがかかったりする。深夜であれば、どうしてもエンジン音や振動で睡眠が浅くなる。せっかく静かであろう北前公園にとまるのだから、少なくとも夜の間はエンジンが始動しないようにしておきたい。
ガラス張りの明るい店内だ。待っている間に、カフェオレを頂きながら、パソコン作業をする。
そして、17時03分にここを出た。
↓ 車- 1.2 km 2 分 国道10号 経由
今度はガソリンだ。道の駅都城の先にある
エネオス セルフ都城インターSS
で給油することにした。17時05分到着。満タン給油した。ここは、以前も給油したことがある。ゴミ処理サービスをしていないのが難点だ。
17時14分出発。
↓ 車- 8.4 km 16 分 国道10号 経由
ダイレックス 都原店
に、17時30分に到着。焼酎「霧島芋20度」と炭酸レモン無糖などを購入。17時53分に店を出た。
↓ 車- 3.4 km 6 分
財部温泉健康センター
には、17時59分に到着。しかし、雨が激しく降っていたので、クルマで短時間待機。たぶん通り雨だ。
数分間、運転席で待機していると、雨はほとんど止んだ。そのタイミングで温泉健康センターに向かった。すると、その前が公園になっており、飛行機も展示されていた。折角だから見ておこう。
よく分からないが、2002年の皆さんの願いがプレートに書き込まれていて、それを並べて石碑になっている。
この飛行機は、前にある説明板によると、Beechicraft Super-18。1963年に設計された物らしい。というと、私と同年齢ということになる。 それなのに、「戦後、羽田空港でよみうり新聞社の取材機として、長年活躍」とある。
「戦後」とは言い過ぎではないだろうか。1963年設計とあるが、その年は、終戦の1945年からすでに18年も経過しているのだ。まあ、戦後には違いないが…。
さて、またポツポツと雨粒が落ちてきたので、急いで財部温泉健康センターに向かう。
1回入浴料と1日入浴料の2つの体系がある。1回入浴料は、大人(15歳以上) 330円、小人(小中学生) 220円、70歳以上(市内居住者) 220円、障がい者等(※1)220円。1日入浴料は、大人(15歳以上) 550円、小人(小中学生) 330円、70歳以上(市内居住者) 330円、障がい者等 330円。
泉質は、泉質がナトリウム炭酸水素塩温泉で肌をすべすべにする美人湯。
風呂の種類が多く、遠赤外線サウナ、渦を巻く渦流浴、気泡浴、超音波浴、低周波浴、深浴槽がある。が、露天風呂はない。
コインロッカーはなぜか、有料10円と、返却式10円の2種類ある。
1時間ほどゆっくりと浸かって、堪能した。
掲示されていた温泉成分、禁忌症及び入浴又は飲用上の注意は以下の通り。
十分満喫して、19時17分に温泉センターを出た。
↓ 車- 5.6 km 12 分 母智丘トンネル 経由
そして、
北前公園
には、19時28分に戻ってきた。
メインイベントのロケット打上げは、20日(火)の早朝なので、IHIスペースポート内之浦には明日19日の夕方までに到着しなければならない。
しかし、今日はもうこれ以上走りたくない。せっかくゆっくりとお風呂に浸かって、汗も流したのだ。今日は、この北前公園駐車場の車中泊を実際に経験して、今後の糧にしたい。
さて、しばらくベッドの上で、パソコンをいじっていたが、21時近くになって空腹感が襲ってきた。
お湯が沸いたら、そこにそのまま辛ラーメンキムチを投入し、ゆでる。右のバナナは山元精肉店で買った物。上手いのでパクパクと食べ、気付いたら、すでに、半分食べてしまった。こんなことなら、1房全部買っても食べてしまえたかもしれない。
そして、ポットのまま、ラーメンを食べる。空腹になってから食べる食事は、いつも美味しく感じる。
食べる前までは、断食しているのと同じ効果があるのか、体重と体脂肪率が段々と下がってきている。いいことだ。
北前公園は、静寂に包まれている。一般道から入り込んだ場所にある立地。しかも、その道は通り抜けもできない、この公園の専用道だ。ここに来る車しか道路を通らない。
駐車場は広いのにガラガラ…。しかもトイレはきちんと管理されている。車中泊にもってこいだ。