阿蘇輪地切り研修に絡めたふらり旅[1・2日目]輪地切り研修、醤油と水の調達
野焼きは、草が枯れている早春の、できるだけ乾燥した風のない日を選んで行われる。前日に雨が降っていたり、当日に風が強い場合は、後日に延期される。それほど、その日のコンディションが重要だ。
しかし、それだけでなく、草が枯れる前にしておかなければならない大切な作業がある。それは、野焼きの際に周囲に延焼させないための防火帯づくりだ。まだ草が枯れていない夏から秋にかけて、野焼きをする場所の周囲に10㍍ほどの幅で草を刈る。この作業を阿蘇では輪地切りと呼ぶ。輪地切りすると、その部分の草だけ枯れるので、1~2週間掛けて乾燥させる。そして、そこだけ先に燃やして、無草地帯、すなわち防火帯をつくる。この作業を輪地焼きという。
輪地切りをする際は、集団で刈払機を使用するので、特に安全対策が重要だ。そこで、阿蘇グリーンストックでは、作業の段取りや道具の取り扱い、安全講習と実技を含めた独自の研修会を行っている。そして、輪地切りに参加するボランティア会員には、この講習への参加を義務づけている。
春には野焼きを経験した。この経験をさらに深め、新たな展開に繋げるために、今回、輪地切り研修への参加申込を行った。
そのために、阿蘇までわざわざ出向くのだから、その後に実際の輪地切り作業が予定されているならば参加したいし、中日があれば、その合間を利用して、阿蘇周辺も巡りたくなるってものだ。
したがって、今回は輪地切り研修への参加が主目的。そして、あわよくば本番作業へのデビューも果たし。その合間に周辺巡り…。これが今回のふらり旅。いつもよりふらりとした感じの少ないふらり旅になりそうだ…。
2021年8月28日(土)・29日(日)の行動履歴
阿蘇市 2021年8月28日(土) <車移動> 113 km 4時間10分 自宅 13:13 ↓ 車- 3.5 km 21 分 水城駅前通り 経由 ある会議に参加 13:34~16:20 ↓ 車- 750 m 20 分 県道35号 経由 九州三菱自動車販売(株)筑紫野店 16:40~17:03 ↓ 車- 3.1 km 19 分 水城駅前通り 経由 自宅 17:22~19:16 ↓ 車- 400 m 10 分 上大利3338号線 経由 トレーラーの月極駐車場 19:26~19:36 ↓ 車- 65.7 km 1 時間 57 分 国道3号 経由 マックスバリュ 山鹿店 21:33~21:58 ↓ 車- 220 m 1 分 国道325号 経由 ENEOS 山鹿ホールディングス EneJet かもとSS 22:00~22:26 ↓ 車- 38.7 km 1 時間 1 分 国道325号 and 国道57号 経由 あぴか北側駐車場 23:26 阿蘇市 2021年8月29日(日) <車移動> 67.2 km 2時間45分 <徒歩移動> 1.1 km 48分 あぴか北側駐車場 8:35 ↓ 徒歩- 290 m 20 分 阿蘇グリーンストック輪地切り講習会会場 8:55~10:17 ↓ 徒歩- 210 m 7 分 阿蘇グリーンストック輪地切り実習会場 10:24~11:40 ↓ 徒歩- 350 m 16 分 あぴか北側駐車場 11:56~12:56 ↓ 車- 3.0 km 6 分 国道57号 経由 なか田 ~看板のない定食屋~ 13:02~13:52 ↓ 車- 2.4 km 10 分 県道111号 経由 クルマを駐めた 14:03~14:05 ↓ 徒歩- 210 m 5 分 県道111号 経由 放牧牛を撮った 14:10~14:35 ↓ 徒歩- 210 m 5 分 クルマを駐めた 14:40~14:41 ↓ 車- 3.4 km 13 分 県道111号 経由 米塚を撮る 14:55~14:58 ↓ 車- 1.6 km 4 分 県道111号 経由 草千里を撮った 15:02~15:52 ↓ 車- 10.0 km 24 分 県道111号 経由 水源茶屋 16:16~16:32 ↓ 車- 400 m 7 分 南阿蘇白川水源駅 16:39~16:45 ↓ 車- 1.8 km 8 分 吉田城御献上汲場 16:52~17:07 ↓ 車- 1.0 km 15 分 妙見神社の池 17:21~17:24 ↓ 車- 25.3 km 44 分 国道265号 経由 阿蘇望橋 18:07~18:20 ↓ 車- 7.0 km 14 分 県道217号 経由 夕日を撮る 18:35~18:55 ↓ 車- 11.1 km 16 分 国道265号 経由 あぴか北側駐車場 19:11
自宅
には、17時22分に帰り着いた。最近は、毎週土曜日の午後に行われているある団体の会議に、オブザーバーとして参加するようになったので、今回は、この会議後にしか出発できないことはわかっていた。それにしても、ここまで遅くなるとは…。
まあ確かに、会議はいつもより長かった。重要な決定をしなければならない局面を迎えていたからだ。もちろん、その課題を担っているのは正規メンバーであって、私ではない。しかし、近い将来、この正規メンバーになる可能性は大いにある。会議の推移を我がことのように見守った。そして、その緊張感にみなぎった会議が終わったのは16時20分だった。
さあ、早速帰って、出発準備を整えよう…。ただ、その前にちょっと寄り道…。
九州三菱自動車販売(株)筑紫野店に立ち寄り、ヘッド車の駆動用バッテリーを充電した。車中泊中の外部電源として蓄電しておくためだ。もちろん、ガソリン走行しながらバッテリーに蓄電することも可能だが、ガソリン代が高騰している昨今、走行充電では勿体ないのだ。しかし、時間も貴重なので、充電時間はいつもよりも短くした。16時40分からの約20分間だったのだが、これでもフル充電の70%は確保できた。
そんなこんなで、帰宅したのが17時20分過ぎに…。
しかし、この後にも、思いのほか時間がかかった。
ある程度の携行品は準備はしておいたつもりだったが、浸け置きにしていた洗濯物を干したり、鍋に残っている食べ物を小鍋に移し替えて、持っていくよう準備したり…。
刈払機安全講習会に参加するための携行品や服装に漏れはないか…。
ここまで遅くなったのなら、途中で温泉に寄る余裕はない。風呂は済ませて出発した方がいいし…、観葉植物にもきちんと水やりしておかないと…、などとなし崩し的に出発時間が延びていった。
そうなった最大の原因は、頭の回転と身体の動きが鈍っていたからに違いない。
心身のリフレッシュ、これも、今回の目的に加えることにしよう。
なんやかんやあったが、ようやく踏ん切りがついて、出発にこぎ着けたのは、19時16分のことだった。
↓ 車- 400 m 10 分 上大利3338号線 経由
トレーラーの月極駐車場
には、19時26分到着。さあ、意識して急ぐことにしよう。テキパキと動くぞ!
気持ちだけは逸る。19時36分、出発。
洗出交差点からは国道3号線に出て、それを南下した。ただし、筑後川の手前では左折し、西鉄宮の陣駅前を通って、合川大橋へと向かった。久留米の街中、国道3号線の櫛原から上津辺りまでは、土曜日の夕方の混雑が通常以上で、渋滞している。それを避けるための迂回路だ。
合川大橋からは、久留米ICの前を通って、上津バイパス方面に進み、陸上自衛隊久留米駐屯地の手前を左折。そして、県道752号藤山国分一丁田線に入る。後はずっと南下し、八女の先で3号線に合流するまでこのまま走った。
↓ 車- 65.7 km 1 時間 57 分 国道3号 経由
買い出しをするために
マックスバリュ 山鹿店
に立ち寄った。21時33分到着。ここに24時間営業のスーパーマーケットだ。助かる…。
21時58分、出発。
↓ 車- 220 m 1 分 国道325号 経由
ENEOS 山鹿ホールディングス EneJet かもとSS
に飛び込んだのは、22時00分。
レギュラーガソリンの料金表示が、143円となっていたので、「安い!」と思って、とっさに飛び込んだのだった。
そこで、迷わず満タン給油ということで、ガソリンを入れることにしたのだが、給油機に表示される料金をよく確かめもせずに給油を開始した。給油機は税別表示なので、この辺が混乱する原因なのだが、給油後にレシートを確認すると、どうも話が違う…。
「おかしい~~。」
この段階になって、給油機に貼られている料金表をよく見直した。すると、この表の料金と、レシートの単価が一致していないのだ。
しばらく見たのだが、よく分からない。やはり、頭の回転は鈍いまま…が災いしている。そこで、店員に話を聞くことにした。
聞いてみて、わかったことは、道路沿いに置かれている電光掲示板が表示していた料金はプリペイドカード+7円引きのバーコードを使った場合の、特別な最安値であって、飛び込みの客には当てはまらないこと。その上、給油機に貼り付けられている料金表も、値引きバーコードを使った場合の記載しかなく、エネキー単独使用の場合は記載されていない…。
あまりに安いと感じたのだが、それにはこのような裏事情があったのだ。
それにしても、クレジットカードやエネキーでの支払いの一般価格が表示されていないのは、如何なものか。
対応された店員さんは、この日たまたま他のスタンドから夜間だけ助っ人として来ていた人だった。なので、この人に文句を言っても仕方ない。それに、この方は誠意ある対応をしてくれたのだ。
だからといって、モヤモヤした気持ちは解決しないので、せめてこのスタンドの責任者に、この気持ちを伝えてもらうよう、助っ人店員さんにお願いした。
これが、改善に繋がるかどうかは未知数だが、とにかく、22時26分にスタンドを出た。
↓ 車- 38.7 km 1 時間 1 分 国道325号 and 国道57号 経由
あぴか北側駐車場
に到着したのは、23時26分。ヘッド車は切り離さないまま、アウトリガーを接地した。電源ケーブルはもちろん繋ぐ。荷物も大筋、トレーラーに移動する。
中に入り、身支度を調えて、晩酌を始めたのは、23時50分。
夜空の雲の切れ間に、キラキラと明るい星々が光っている。「阿蘇に着いた~~。」と実感した。
夜も更け、間もなく日付も変わろうとしているし、疲れもある。こんな時には、わざわざベッドをテーブルに展開し、ことが終われば元に戻す…なんていう余力は残っていない。ベッド上でソロキャンプなどに用いられるローテーブルを使うのもひとつの手だが、それさえも面倒なときには、ベッドには先にシュラフを敷いといて、コンロの蓋の上をテーブル代わりに使って、晩酌のセッティングを行う。
こうすれば晩酌の後が、いや、最中でも横になることができて、楽チンなのだ。
そんなに疲れているのなら、すぐに寝なさいといわれそうだし、摘まみの内容としても、スーパーの惣菜でしかも揚げ物で、これらを就寝直前に摂取するとは、何重にも身体にとっては有害だと理解しているつもりだ。だが、長時間運転して、車中泊スポットにたどり着いたときには、晩酌をしたくなるものだ。
無事に目的地に到着できた安堵感と、これから始まる新たな展開への期待感…。その余韻を感じていたいものなのだ。それがいくら深夜であろうとも、この一服のひとときはなかなか割愛できるものではない。
思った通り…。食べて、寝るまでにはさほど時間がかからなかった。
あぴかは、道路から離れているし、夜中に訪れるクルマはほとんどない。駐車場は広々していて静かで快適そのものだ。食べ終わって、ゴロンと横になりながら、パソコンをいじるのだが、ほとんど何もしないうちに眠りに落ちてしまうのだ。
早朝に一度は目を覚まし、公衆トイレに行く。しかし、戻ってもう一度寝る。
さて、起きなければならない時間になった。
作業着に着替えて、装備を揃える。
今日の研修の会場は、阿蘇市農村公園あぴかの北側駐車場。つまり、ここだ。集合場所までの移動時間を考えなくて済むので、余裕があるハズなのだが、なんとなく落ち着かない。
それほど空腹感がないが、お腹に何かを入れておこう。
あまりに早く受付に行っても、やることはないだろうし、かと言ってぎりぎりは良くない。阿蘇グリーンストックの活動では、集合時間の30分以上前までに到着しておくことが推奨されているのだ。
8時30分を過ぎたので、外を覗いてみた。
あぴか北側駐車場の西側には、たくさんのクルマが駐まっていた。通常ではこんなに駐まっていることはない。たぶん、今日の研修会に参加する人達が、すでに集まっているのだと理解した。
「じゃあ、行くか!」8時35分にトレーラーを出て、駐車場の西側へ向かった。
↓ 徒歩- 290 m 20 分
阿蘇グリーンストック輪地切り講習会会場
下の航空写真で動きを説明する。①辺りで事務局の方と出会い、受付をした。体調の確認を受け資料を渡された。班分けは5班になっていた。
どうやら、野焼きの時と同じような装備で良いらしい。一旦クルマに戻り、装備の幾つかを入れ替えた。そして、②の講習会会場に移動した。
8時55分。5斑の参加者と顔を合わせて、自己紹介をした。我が斑のリーダーはSさんとUさん。おふたりとも福岡県の方だ。Sさんは北九州から、Uさんは春日市から早朝に出発して参加されている。北九州から走って、ここに8時頃までに到着するには、高速を利用するにしても家を5時頃には出るということか? それだけでも結構体力を使うことになる。
各班はリーダーを含めて5名ずつぐらいに別れている。
班の方々と喋っているうちに、9時になり、講習会が始まった。
全体リーダーが前に立ち、挨拶の後、約1時間の講義が始まった。私たちは、アスファルトの上に腰を下ろし、話を聞く。
内容は、講習会の目的と輪地切り作業の仕組み。輪地切り作業時における注意点。刈払機に関する基礎知識などについてだ。説明が一通り終わると、各班に刈払機を2~3台ずつ割り当てられていたので、班員は各自、リーダーの指導の下で実際に刈払機を操作し、取り扱い手順や注意事項を再確認した。
講義が終わったのは、10時17分頃だった。続いて、刈払機を使った実習が行われる。③の実習場所まで移動した。
陸上競技場の横を歩き、小高い丘に登っていく。
↓ 徒歩- 210 m 7 分
阿蘇グリーンストック輪地切り実習会場
は北塚の南側斜面の草地だ。10時24分に実習が始まった。基本的に班別行動だ。
1番手が周囲の安全確認をした後、刈払機を始動させ、青々と成長した背の高い草を約1.5㍍幅で刈り込んでいく。間を5㍍ほど開けて、2番手が安全確認して刈払機を始動させ、1番手が刈った右側を同じぐらいの幅で刈っていく。3番手、4番手と時間差で同様の手順で続いていく…。リーダーは特に未経験者に対して多めの実習機会を与えてくれた。
晩夏の阿蘇とは言え、まだ残暑がある。足場の悪い山の斜面を刈払機を肩にかけて歩き回るので、なかなか骨の折れる作業だ。しかし、眼下の田畑とその向こうにある阿蘇五岳の山肌は、稲や草原や森林がそれぞれ特有の緑色で濃淡を作り、そこへ晴れ渡る青空に浮かぶ夏雲が山肌に影を落として、色合いに変化を与え、美しい緑のグラデーションを作っている。
この風景が、作業の疲れを軽減させ、清々しい気分にさせてくれるのだ。
そろそろ研修も終わりの時間に近づいた。各班とも山の麓に降りてきて、参加者全員が一箇所に集合した。修了式だ。各班のリーダーが今回の研修で気付いたこと、これまでの経験からのドバイス、そして、今後の活動に向けての協力要請などを順番に話された。そして、事務局からの諸連絡をもって閉会した。11時40分だった。
参加者は事務局に協力して、装備品を軽トラに積み込んだり、片付けを手伝った。そして、順次、修了証を受け取って、帰っていった。
修了証をもらったからには、すぐにでも実際の活動に参加したくなるものだ。事務局に確認したら、3日後に予定されている輪地切りには、参加可能だということだったので、早速もむ仕込んだ。
↓ 徒歩- 350 m 16 分
さて、
あぴか北側駐車場
に駐めているトレーラーに戻ったのは、11時56分。阿蘇市の気温は熊本市のそれより5度ほど低いのだが、それでも夏の屋外作業だ。予想以上に体力を消耗しているようだった。作業着を脱いで、しばらくベッドに横になった。
それに、朝はおにぎりを1つ食べただけ…。空腹感も襲ってきた。昼食時間を逃すと店の選択肢が一気に減少する恐れがある。店を探して、急いで出掛けることとしよう。
ヘッド車をトレーラーから切り離し、12時56分にヘッド車だけで出発した。目指すは、看板のない定食屋だ。
↓ 車- 3.0 km 6 分 国道57号 経由
ナビの案内に従って、車を進めた。しかし、「目的地に到着しました」というアナウンスとともに案内が打ち切られたとき、とっさにその周辺を見回しても、民家のような建物しか見当たらない。
「ああそうか…、看板のない定食屋だった。どうやって探せば良いのか…。」
ひとまわり大きい建物で、しかもクルマが複数台駐まっているようなところを探せば良いのかな…。
なか田 ~看板のない定食屋~
と思われる場所に着いたのは、13時02分。
確かに看板はない。裏通りから来たので、より分かりづらかった。裏から入って表側に行くと、クルマが数台駐まっている。たぶんここだ。
玄関から右方向に進むと、右側に食堂がある。一番、出入口に近いテーブル席に座った。ちなみにテーブル席は4人掛けが3つ。座敷には座卓が4つあった。
メニューを見ると、定食はすべて730円の統一価格。
定食はすべて税込み730円の統一価格になっている。
「ほぉ~、いろいろありますねぇ~。どれにしようかなぁ…。」
ちょうど焼肉が食べたかったところだ。ここはやはり中落ちカルビだろうなぁ。でも、焼き魚もいいしなぁ。そして、肉とはいっても、鳥なんばん、焼きホルモン、豚しょうが焼き、ハンバーグと多彩でどれも捨てがたい。ほんと、迷う…。
「中落ちカルビ定食は限定メニューで、あと一皿になっています。」
「あら、そうなんですね…。じゃあ、それをお願いします。」
なかなか決断が着かなかったのだが、「あと一皿です。」という言葉で、一気に気持ちが固まった。
私がオーダーを済ませた後、ひとりの男性が来店した。その人もメニューを見て、中落ちカルビを注文しようとしていたのだが、「申し訳ありません。今日は終わってしまいました。」と断られていた。
少し、申し訳ない気持ちになった…。
間もなく、注文した中落ちカルビ定食が運ばれてきた。写真を数枚撮って、「では、いただきます…。」
美味しい。そして、ご飯と味噌汁はおかわりができる。値段も良心的…。
基本がしっかりしているためか、店に看板がなくても、客は次々にやってきた。逆に、看板がないことが、話題となって、客を呼んでいるのかもしれない。
13時52分、十分に食べて、お腹も、心も満たされた。それでは、活動開始だ!
白川水源茶屋に醤油の買い出しに行かないといけない。後延ばしにせず、今日、決着を付けておく。後日に回すと、その分、行動の自由度が低下してしまう恐れがある。
今日、白川水源に行くなら、その周辺の水源で水も確保しよう。なんといっても、白水村は水の生まれる郷。
Googleマップで「南阿蘇の湧水」と入力して検索すると、上の画像のようにあちこちに赤丸印が表示される。少なくともこれだけの湧水があるということだ。白川水源は有名だが、それ以外にも素晴らしい水源がいくつもある。水汲みに適しているのは、高森湧水トンネル公園のトンネル入口の上にある高森湧水、湧沢津水源、吉田城御献上汲場、池の川水源、寺坂水源、古代の泉…。水源の周りを散策するのに向いているのは、明神池名水公園、塩井社水源、小池水源、竹崎水源…。
水汲みに適しているというのは、美味しい水が簡単に汲めて、しかも駐車場が近く、水タンクの運搬が容易だという意味だ。逆に駐車場がある程度離れていて、汲みやすくてもタンクの持ち運びに難があるところを散策向きと表現した。散策向きのところでも、美味しい水には違いない。その場で汲んで飲むことはできるし、水筒程度の水を持ち帰るのには支障はない。
私が主に利用しているところは、トレーラー牽引中ならば、高森湧水。ヘッド車だけで移動しているときなら高森湧水か湧沢津湧水、吉田城御献上汲場を主に利用している。いずれも水量が豊富で、水タンクでもあっという間に汲めるのだ。しかも、駐車場が近いのだ。
南阿蘇に行って、醤油を買い、水を汲む。それならば、南阿蘇へのルートは…。やはり、阿蘇登山道吉田線だろう。放牧中の牛を見ておきたい…。
↓ 車- 2.4 km 10 分 県道111号 経由
県道111号阿蘇吉田線に入った。この道は阿蘇市黒川を起点とし、阿蘇五岳の間を抜けて、南阿蘇村一関までを結ぶ道。阿蘇パノラマラインという愛称もある。阿蘇駅前からこの道に入ると、しばらくは森林の中を走る。標高も段々と上がっていく。そして、ある地点で、一気に視界が開け、草原地帯になる。この後は、見晴らしの良い阿蘇特有の風景が続いていく。
左側の路肩にクルマが数台駐まっている。観光客が放牧中の牛を見ているのだ。
牛の中には、人間の方をじっと見つめている者もいるにはいるが、大多数はお構いなしに草を食んでいる。私はその先の大きな右カーブを抜けたところにある空き地に
クルマを駐めた
。14時03分だった。スマホをポケットに突っ込み、クルマを降り、後部座席からカメラだけを取り出して、牛が放牧されていたところまで歩いて戻った。
14時05分。
↓ 徒歩- 270 m 5 分 県道111号 経由
大きなカーブの向こうに、阿蘇の山々が見えた。根子岳に高岳…。手前の山は不明。ところどころ地滑りが起こっているのか、土がむき出しになっていて、迷彩色のようになっている。
観光客が集まっていたところに着いた。さっそく、カメラを構え、
放牧牛を撮った
。14時10分。牛たちは広大な阿蘇の草原で、ゆったりと過ごしている。
さあ、そろそろ先に進もう。14時35分になっている。この放牧地を出て、来た道をクルマまで歩いた。
↓ 車- 210 m 7 分 県道111号 経由
クルマを駐めた
ところまで戻ったのが、14時40分。クルマに乗り込み、すぐに出発した。
しかし、150㍍ほど進んだところで、もう一度、クルマを駐めて三方向の写真を撮った。
14時41分、さあ、先へ進もう。
↓ 車- 3.4 km 13 分 県道111号 経由
米塚を撮る
ために、路肩に車を寄せた。14時55分。ちょくちょく停まってしまい、なかなか、先へは進めない。阿蘇は観たい!と思う風景が目白押しなのだ。
そして、米塚が見えた。ここを無視して通過するわけにはいかないだろう。
米塚はWikipediaの記事によると、約3300年前にできた火山で基底直径約380m、比高約80mとある。円錐台の均整のとれた美しい、かつ小さくてかわいい山だ。
このかわいさからだろうけど、阿蘇のえくぼという異名があるそうだ。初めて知った。火口のくぼみがえくぼに似ているからなのだそうだが、円錐台の部分を無視して名前を付けるのは如何なものかと思ってしまう。
こじんまりしているが、立派な形の火山なのだ。いくら小さくても地面から飛び出していて、3300年前は頂上の火口から溶岩を噴出させていたのだ。これを人間の顔で表現するのなら、えくぼというよりはニキビか吹き出物だろう。
しかし、そう表現した途端、折角のかわいらしさ、美しさが失われて、最低の例えに成り下がる。そこで、火口のくぼみだけを意識して、苦肉の策で「えくぼ」と表現したのだろう。気持ちはわからないでもないが…。
別に無理して、顔の部分を用いて、例えを考えるる必要はないのではないか…。そう思わざるを得なかった。
14時58分、もう一度、運転席に戻り、クルマを先に進めた。
↓ 車- 1.6 km 4 分 県道111号 経由
アッという間に、草千里展望所駐車場に到着。15時02分だ。クルマを駐めて
草千里を撮った
。ここの駐車場は狭くて数台しか駐められないが、見晴らしは最高。しかも、無料。美しい阿蘇の風景を満喫することができる。
まずは行幸記念碑のあるところからの風景を撮った。
次に暁光記念碑から、草千里展望所まで移動する。北東方向に約300㍍だ。
さすがにこの辺りは、多くの観光客が訪れていた。
草千里駐車場は、自然公園財団が管理している有料駐車場だ。駐車料は普通車で410円/1回。一日中、草千里ヶ浜周辺で過ごすならいいものの、ちょっと立ち寄って風景を楽しむだけならば、この駐車料金は決して安くはない。
そういう場合は、今回のように、草千里展望駐車場を利用する方が良い。繰り返しになるが駐車料金は無料だ。そして、遊歩道を使って下っていけば、草千里ヶ浜を散策することも可能だ。
また、杵島岳や草千里ヶ浜、烏帽子岳をじっくりとハイキングするなど、丸1日をこの周辺で過ごす場合であっても、こちらの無料駐車場を利用するのもひとつの手だ。広々としているし、ここから草千里ヶ浜と杵島岳への遊歩道が整備されている。
さて、駐車場のことでごちゃごちゃと話をしたが、気付くと、なんと50分近くも時間が経過していた。ゆったりしすぎたか? でもまだ、15時52分。水源茶屋の閉店時間までは、まだ余裕がある。さあ、でもそろそろクルマに戻って出発しよう。
↓ 車- 10.0 km 24 分 県道111号 経由
水源茶屋
に行くには、道路沿いに点在する駐車場にクルマを駐めて、物産館自然庵の前から奥に続く、川沿いの遊歩道を歩く。この遊歩道の突き当たりに白川水源がある。その手前を左に折れ、川を渡ったところにある茶店が水源茶屋だ。16時16分に到着した。
水源茶屋の出汁醤油名水たましずくは実に旨い。この味を知ってから気に入って、ずっと使い続けている。
材料費高騰の煽りを受けて、醤油の代金も値上げになっていたのだが、やむを得ない。こちらの製品はこの店か、オンラインショップでしか入手できない。
私はいつも、旅の序でに立ち寄って購入しているが、送料が掛かるオンラインショップは使ったことがない。交通費の方が馬鹿にならないのに、序でであることを言い訳にして、リアルな旅を楽しんでいるので、その支出は気にならない。
新型コロナで一時期は、短縮営業になっていたが、このときは通常の営業時間に戻っていた。営業時間は17時までだ。
本来、この店は、入店したら、お茶と豆腐を出して、醤油や酢、もろみや昆布などの試食をさせていた。私もそれが切っ掛けで、ここの小雨湯の味を知り、その後、ずっと愛用しているのだ。そのサービスは、コロナ騒ぎによって現在も休止中。店にとっても、観光客にとっても、非常に残念なことだ。
16時32分になった。店を出て、クルマに戻った。さあ、あとは時間を気にする必要がない。明るいうちは写真を撮って、暗くなったらトレーラーに戻ろう。
↓ 車- 400 m 7 分
南阿蘇白川水源駅
に立ち寄ってみた。16時39分、到着。ここは、白川水源駐車場のすぐそばにある。
この店の名前は駅Cafe倶梨伽羅。Googleマップに登録されている情報では、月曜日が定休日で、営業時間は11時00分~18時00分となっている。しかし、店の入口にある貼り紙をよく見ると、営業日は、金、土、日、祝日。営業時間は10時00分~17時00分となっている。どう考えても、こちらが正しい情報だろう。
しかし、その時間帯に訪れたにもかかわらず、店は閉まっていた。
上の方にある手書きの貼り紙には「本日、完売しました。」とある。
完売したから店を閉じたのか? 完売って、コーヒーなどの飲み物も含めて、すべてってこと? まあ、いいけど…。
ホームに出て、そのあと踏切に行ってみた。逆光に輝く直線の鉄路が美しかった。
16時45分にクルマを出した。
↓ 車- 1.8 km 8 分
では、今日は
吉田城御献上汲場
で水を汲もう。ということで、到着時間は16時52分だった。まだ、数日阿蘇に居る予定なので、今日は、10㍑タンク2つ分の水を確保する。ひとつが飲料水兼調理用。もうひとつが、トレーラーの清水タンク用だ。
清水タンクの水は、手や食器を洗うために使用する。
写真だと水が溜まっているだけに見えるかもしれないが、説明板を読むと、毎分約5㌧もの水が湧き出していて、右の水路に流れ出ている。
これだけの噴出量があるので、湧水が水路に流れ出る辺りにタンクを直接、そーっと浸けて、一気に汲み上げることができる。水汲みが簡単で便利だ。
この水汲み場の上に駐車場がある。そこまで、タンクを抱えて歩く。といってもすぐそばだ。大したことはない。
17時07分、水をクルマに積み込んで、出発。
↓ 車- 1.0 km 15 分
日が暮れるまでには、まだ2時間近くある。
ググると
妙見神社の池
という水源がヒットした。ここは、まだ未経験。どんなところだろう…。
たどり着けるかと不安になるほどの車幅ぎりぎりの狭い道を走った。そして、たまたまあったクルマ一台分の三角形に張りだした場所にクルマを駐め、その先の道を歩いた。
こんなに奥まった場所にも、湧水があるのだ。
クルマを駐めて、歩いた道はジャリ道。
池の奥に小さな祠があった。これが妙見神社だろうか??
果たして、この道はクルマで通れるのだろうか? あまりに狭い。不安だったので、歩いて確認した。どうやら、辛うじて通行できそうだ。
駐車した場所でUターンするのも難しそうなので、池の横を通るこの狭い道の通り抜けにチャレンジした。
17時24分、出発。ゆっくりと慎重にクルマを進め、無事に県道28号熊本高森線に出ることができた。
その後は、その県道を東に走った。そして、中里天満宮が正面に見える場所に来たので、クルマを駐めた。田んぼは稲穂が金色に色付き、まさに刈り入れ間近の時期を迎えていた。その向こうに中郷天満宮の鳥居と境内の林が見える。その背景には阿蘇の山々が連なっている。新緑の季節にも写真を撮ったが、収穫の秋の風景も美しい。
↓ 車- 25.3 km 44 分 国道265号 経由
高森を通り過ぎて
阿蘇望橋
に行ってみた。18時07分、到着。ここも初めてだ。
クルマをT字交差点の邪魔にならないところに駐めて、歩いた。木造の屋根付きの橋なんて、これまで見た記憶がない。珍しい…。Webサイト「木橋資料館」にはここの概要説明が載っている。
通り抜けて、反対側から振り返る。
太い柱と細い柱が、縦、横、斜めに組み合わされている。隙間からは川底が見える。結構高い位置にかけられていることがわかる。
18時20分になった。太陽光もオレンジ色が強くなった。そろそろ、あぴかに戻ろう。
できるだけ目新しい道を走ろうと、県道217号河原新波野線を通った。そして、いつもの国道265号線に入ってから間もなく、美しい夕陽に遭遇…。
↓ 車- 7.0 km 14 分 県道217号 経由
クルマを路肩に駐めて
夕日を撮った
。18時35分だった。山の中だからか、意外に日没が早いように思う。(後で調べたら、この日の阿蘇の日没時刻は18時45分だった。こういうものか…。)
日没を見届け、刻一刻と藍色へと変化していく様子を眺めながら、18時55分にクルマを出した。
↓ 車- 11.1 km 16 分 国道265号 経由
あぴか北側駐車場
に到着したのは、19時11分。無事にたどり着くことができた。
今日はよく動いた。
3日後の輪地切りは瀬の本高原の扇牧野だ。なので、明日か明後日のどちらかに道の駅原尻のあるあるカフェ遊に顔を出したい。しかし、これから移動する余力は残っていなかった。
今日は、あぴかに留まって、明日以降をどう過ごすかは、明日になって考えることにした。
夕飯は、出発前に小鍋に移して持ち込んだ「しゃぶしゃぶもどきの鍋」を温めて食べる。夏なので日持ちが気になるが、朝晩に火を通しておけば、結構保つ。
今夜もベッドはテーブル展開をせず、コンロの横に皿を置いて、食事をした。今日こそ、横になったら、即、熟睡するに決まっている。良く動いた1日、充実した1日だった。
じゃ、おやすみなさい…。