宮原線廃線跡を歩く[1日目]往き道
先月上旬に九州鉄道記念館を訪れたとき、静態保存されているディーゼルカー「キハ07型41号機」に何かしらの懐かしさと親しみを覚えた。側面の中央、窓枠下に取り付けられている行き先表「肥後小国↔豊後森」が、かつての国鉄宮原線を想起させ、その沿線に点在する壁湯温泉、宝泉寺温泉、川底温泉、そして、麻生鶴温泉、わいた温泉郷などに思いを馳せたからだろう。
近いうちに宮原線の廃線跡を歩いてみようと心に決めていた。
今週、行ってみるか…
ただ、台風9号、そして台風10号が近づいてきているので、青空が期待できるのは週の前半だけ。しかし、今日は何かとやることが多いので、早くても夕方しか出発できない。改めて明日の早朝に出発する方が良いのかも…、となかなか決心が付かなかった。
悶々としながら時間が過ぎていく。そして、やるべき仕事が片付いたのは、18時30分頃。遅くなったなぁ。さあ、どうする??
道の駅小国から北里駅までの廃線跡は遊歩道になっている。結構、長距離を歩くことになるし、写真を撮りながらの移動なので、朝早い涼しい時間帯がいいのではないか。だったら、今から出発しておいた方が良いに決まっている。
よし、やっぱり今から出発しよう!…と準備を始めた。
19時25分に自宅を出た。そして、その15分後にはトレーラーを繋いで、出発していた。通常だと太宰府政庁前を太宰府駅方面に走り、途中の「梅大路」交差点を右折するのだが、うっかりミスで直進してしまった。
トレーラーを引いているときのUターンはおっくうだ。つい、ちょっとの遠回りならそのまま前進してしまう。今回もそうしてしまった。あれ? 西鉄太宰府駅のロータリーでUターンできたのではないか? と思いついたが、すでに後の祭りだった。
まぁ、そのこと自体は大した事じゃなが、ボーッとして曲がるタイミングを逸すると、場合によっては大きく時間と燃料をロスしてしまう結果に繋がりかねない。何度もこの手のミスを繰り返しているが、徹底しないのはなぜだろう。
結局、そのまま直進し、「西山入口」交差点を右折して、筑紫野古賀線で「原」交差点に戻った形になった。本来、1.9kmで約4分の道が、3.7kmの約8分のルートになってしまった。
その後は県道76号線「筑紫野太宰府線」で甘木方面へ。
県道77号線「筑紫野三輪線」は筑前町森山で2018年7月6日以降、全面通行止めになっているので、迂回路で「栗田」交差点に出て、国道386号線の旧道を走った。
被災地などの通れる道を調べるには「通れた道マップ」
事前に通行できるかどうかを確かめたい場合は、TOYOTA「通れた道マップ」が便利だ。これは、トヨタのテレマティクスサービスを使用している車両から収集したプローブ情報を基に、直近24時間以内あるいは直近3時間以内の通行実績をリアルタイムで地図上に表示するシステム。不通区間や交通規制が判りやすいので熊本地震以降、通れる道の検索に利用させてもらっている。
ダイレックス朝倉店に到着したのは20時45分頃、トレーラーを繋いでから30.2㎞を約1時間ちょっとで走った。店では20分程度で買い出しを済ませた。この店には結構な頻度で立ち寄っている。ダイレックスではレジ袋の大サイズが1枚1円で入手可能。それに、保冷用の氷ももらえるので非常に助かる。
保冷用の氷をトレーラー冷蔵庫の冷却に利用
トレーラーの冷蔵庫は、通電しても冷えはじめるまでに時間がかかる。なので、最近は自宅の冷凍庫に2㍑ペットボトルを凍らせておくようにしている。これを出発時にトレーラーの冷蔵庫に入れると早く冷えて、しかもこの冷え冷え状態が2日程度は保つ。水は凍るときに体積が膨張するので、ペットボトルに入れる水の量は9割程度にし、空気を抜くように少し凹ました状態でキャップを閉める。
しかし、氷を作り忘れていた場合は、スーパーで保冷用の氷をもらって、冷蔵庫に入れる。その際、ビニール袋のまま入れると、解けた水が冷蔵庫からしみ出して、カーペットを濡らすことがある。なので予防策としては、氷の袋をピッタリサイズの金属製のポットなどに入れてから冷蔵庫に入れると安心だ。
その他、自然解凍可の冷凍枝豆などを冷蔵庫に入れたりもしたこともある。冷えの効果は定かではないが、少しは冷やしてくれるだろうし、晩酌のつまみにもなる。
さて、夕食も採らずに走ってきたので、ここで買ったフランソアのパン「お芋でどうぞ」を早速1つ食べた。
この先は定番ルートで小国を目指す。夜明大橋を渡り、国道210号線のバイパスへ。そして、国道212号線に乗り継ぐルートだ。
道の駅「水辺の郷おおやま」で小休止
21時55分到着。ダイレックスからの距離は29.0㎞。経過時間は約40分。
駐車場にはクルマが1~2台しか駐まっていなかった。
どこに行っても道の駅がこのところ、競うかのごとくオシャレで綺麗なトイレに作り替えられている思ったら、道の駅トイレのイメージ一新を狙った国家規模の取り組み? 国土交通省の道路局 国道・防災課が2017年9月に『「道の駅」のトイレの改善に関するチェックポイント』を出して、改善点の見える化、改装の促進をリードしていた。
ここのトイレも類に漏れず新しくて綺麗。ただ男性用個室トイレの奥から2番目はウォッシュレットが作動していなかった。節電目的か何かで全室のオッシュレット機能を停止させているのかと思って一番奥に入り直してみたら、きちんと動作した。
じゃあ、奥から2番目は、故障中?それとも電源が落ちているだけ?
外に出ると、直売所の建物の方も、当然のことながら、ひっそりと静まりかえっている。そして、空にはまん丸いお月様が辺りをやんわりと照らしていた。
道の駅水辺の郷おおやまを左に出て、すぐのところが片側交互通行になっている。そして、その先に全面通行止めの区間があるため、小国方面に行くには山側の迂回路を通る。
杖立温泉観光駐車場に10分間だけ滞在
道の駅おおやまからの距離は15.0㎞、所要時間は20数分で杖立温泉観光駐車場に着いた。到着時刻は22時40分。
ここに至るバス通りもRショップと一丸食堂だけが営業中のようだった。そして観光駐車場もひっそりと静まりかえっている。
温泉街の夜景を撮るつもりだったが、ひっそりと静まりかえった温泉街で、しかも夜更け。こんなところをカメラと三脚を持って歩くと、不審者に間違われる恐れがある。気が引けたので、湯かたば前の蒸し場を1枚撮っただけで、そそくさと出発した。
杖立温泉観光駐車場を出たのは22時50分だった。そして、道の駅小国まではあとちょっと。距離は約7.3㎞、約15分強、23時10分頃に到着した。
明日の朝は早い。ちゃっちゃとお湯を沸かし、夜食としてまるちゃんの「ごつ盛ソース焼きそば」を食べ、「アサヒもぎたてSTRONGまるごと搾りぶどう」を飲んだ。あと、ダイレックスの「レタス巻き」4個入りを食べて打ち止め。就寝準備を整えて、寝た。
小国の気温はそもそも平野部より5~10度ほど低いので、もちろん都市部のヒートアイランド現象に比べると快適な方だが、それでも普段冷房漬けの身体には少々堪える。今回は冷風扇を積んできたことが功を奏した。無風状態の時には、これがあるだけで快適さが全然違う。