水源茶屋の醤油買い付けが主目的?[1日目]押戸石の丘駐車場泊
我が家ではここのところ、醤油は白川水源茶屋の「名水たましずく」を愛用しているのだが、気付けばストックが残り1本になっていた。実家ではさらに深刻な状態で、最後の1本が残り僅かになっているらしい。まさに緊急事態! 早急に水源茶屋まで買い出しに行かなければならない。
えっ?わざわざ阿蘇まで行かなくても、どこか近くのスーパーマーケットなどで入手できないのかって?
阿蘇で、有名な美味しい醤油は何?と聞くと、多くの人が豊前屋本店の「阿蘇マルキチ醤油」と答えるのだが、熊本のどこの店にも並べられており、比較的簡単に入手できると思われる。
しかし、「名水たましずく」は繰り返しになるが現物を直接購入したいのなら白川水源茶屋に行かないと入手できない。生産量の問題? 店主のこだわり? 確かに、今は自粛で休止中のようだが、以前の平常時には、客が店に入ると薄く切った豆腐を出し、それぞれに数種類の醤油と酢をかけて、食べ比べをさせていた。このやり方に拘るのなら他の店ではやりにくい。
この「名水たましずく」は、万能醤油だ。豆腐やたまごかけご飯、刺身にかけ醤油として使えるのは当たり前なのだが、水で薄めるだけでめんつゆにもなるし、鍋や煮物の味付けにもこれ一本でも何とかなるといった感じだ。甘い醤油が苦手な人には向かないかもしれないが、九州育ちの私にとっては、探し求めていた どストライクの醤油だったのだ。
こういうわけで、日常生活に支障を来たさないよう、在庫切れになる前に白川水源に行って醤油を買い付ける必要がある。と言うわけで、今回のふらり旅の行き先は阿蘇になった。ついでにやりたいことはたくさんある。まず美味しい天然水を汲んで帰る。復活した豊肥本線、立野のスイッチバックを通っている列車をこの目で見る。熊本地震から復興を遂げた地獄温泉に浸かってみる。その他、様々…。だから、通販ではなく買い付けでないといけないのだ!
とにかく阿蘇方面へ
17時40分頃、家を出てトレーラーの待つ月極駐車場へ。そして、いつものごとくトレーラーを繋いで17時55分に出発!
県道77号線(筑紫野三輪線)の弥永西の信号から県道77号線と県道597号線(三箇山山隈線)の合流地点間が全面通行止めになっているので、今回は、国道3号線を南下。ゆめタウン筑紫野がある針摺(はりすり)の立体交差を左に折れる。そして、あとは夜明大橋を渡り、日田から上がって、杖立温泉方面に向かうというオーソドックスなルートを進むことにした。もっと早い時間に出発できていれば、塚田温泉センターにも立ち寄りたいのだが、今日は無理だ。
針摺を過ぎたとき、冷蔵庫のダイヤルつまみの代わりにするラジオペンチのような工具と、トレーラーの右後ろの足を補強するバラのボルト・ナット1組が必要だったことを思い出した。急遽、ホームセンターを探し、ナフコ筑前店に立ち寄った。18時35分着。親切な定員さんのおかげでボルト・ナットの1組は最適なものを探し出せたが、ラジオペンチは先が凄く細くて長いもの出なければならず、残念ながら見つけることができなかった。その代わりと言っては何だが900㎖のペットボトルコーヒーを2つ購入して、19時05分発した。
いつも立ち寄っているダイレックス朝倉店は、今回は素通り。先を急いだ。
松原ダムの交差点が見えたとき、「おすそわけ野菜のレストラン松原」の駐車場にクルマを停めた。ここの営業は昼食時間帯のみなので、訪れたときには真っ暗で、クルマ一台も駐まっていなかった。前回、小国に来たとき、松原ダムの湖がライトアップされ、絶好の撮影スポットになっていたのに、そのときは、とっさに駐車スペースを見つけることができず、残念な気持ちを抱きつつも素通りしてしまったのだ。
今回、ライトアップされていたらチャンスを逃すまいと、ここに一旦停めたのだ。歩いてダム湖の方に歩いて行くと、今回は残念ながらライトアップがされていなかった。あるいは21時ぐらいまでライトアップされていたのかもしれない。
しかも、松原ダムには交差点の角に、普通車8台分の無料駐車場があり、トイレも完備されていた。カメラを持って、無料駐車場まで歩き、トイレを借りて、クルマに戻ってそのまま出発した。
杖立温泉街の道路を通ると、こまつ食堂に灯りが点いていた。もしかして営業中? 杖立温泉観光駐車場にクルマを駐めて、蒸し場の右側から階段を上がると、こまつ食堂横に出る。やはり営業中のようだ。
入店し、女将さんに営業時間を聞くと21時30分がラストオーダーとのこと。今回は焼ちゃんぽんを頼んだ。
甘めの味付けが私にピッタリ。旨い!
支払いは現金のみ。
店を出て、駐車場に戻った。共同湯「湯かたば」は、灯りは点いているものの、入口に「当面の間、外来の方の入浴はご遠慮ください」とある。以前は、朝の9時前後のオーナーが風呂掃除をされる時間帯を除いて、いつでも入浴できたあの時代が懐かしい。一刻も早く平穏な日常に戻ってほしいものだ。
そこで駐車場から奥に進んでみると純和風旅館「泉屋」の玄関には灯りが灯っている。ダメ元で玄関を開け、声をかけた。
「こんばんは~、すいませ~ん。お風呂は入れますかぁ?」
すると帳場からご主人の声で
「ごめんなさ~い。」
と、断りの返事が返ってきた。それもそうだ。当然だ。
「わかりました~」
と声をかけ、振り返って、玄関を開けて出ようとしていると、帳場から今度は女将さんが玄関に出てこられ
「20時までなんです。すみません。」
少し申し訳なさそうにはにかんで、しかし、ステキな笑顔で見送ってくださった。
ここのお風呂には4~5回も入ったことがあるのだが、決まっていつも「岩の湯」の方に入っている。「石の湯(石庭風呂)」にはまだ一度も入ったことがない。不思議なものだ。
泉屋の前に掛かっている橋に上り、温泉街を見渡した。温泉街は静まりかえっており、杖立川の流れる音だけが響き渡っていた。
さらに南下することにし、21時25分にクルマを出した。
ダイレックス小国店で買い物をしたものの、この先どうするか…。間もなく22時になろうとしていた。
パワースポットとして最近脚光を浴びている「押戸石の丘」の駐車場に行ってみることにした。国道212号線を南下し、マゼノミステリーロードに右折するのだが、この道は押戸石の丘駐車場への入口の先で、現在、全面通行止めになっていて、ミルクロードに通り抜けることはできない。
そして、マゼノミステリーロードから左折すると、狭い簡易舗装の道で痛み進んでいた。以前、ヘッド車だけで昼間に行ったことがあるのだが、今回は夜だし、トレーラー牽引中なので少々不安な気持ちにもなった。
意外とこの時間帯に、この道でクルマ2~3台とすれ違った。こんな時間に押戸石の丘に行った帰りなのだろうか…。まぁ、どのクルマもタイミングが良かったので問題なく離合できた。
駐車場に着くと、こちらに1台と向こうに1台、駐まっていた。向こうの1台は横にテントを張って、焚き火をしているソロキャンパーのようだった。
駐車場は逆L字型になっているので、その直角部分を利用して、トレーラーを切り離さずに駐めた。
しばらくは真夜中の高原の雰囲気を外で味わい、夜の風景写真にチャレンジしてみたのだが、やはり暗すぎた。トレーラーの足を出して、中に入った。しばし、就寝前のくつろぎタイムだ。翌朝の日の出を見るために早く寝よう。