魚津市でMagicショー開催?じゃぁ行こう!富山と長野を巡る旅[2日目③]夜の伏見稲荷大社
京都観光、夜のスポットNo.1、伏見稲荷大社
21時40分頃、参集殿前の駐車場にクルマを駐めた。
あたりはシーンと静まりかえり、人影はまばらにしかない。
クルマの中からカメラと三脚、スマホとショルダーバッグを取り出し、本殿方面に向かう。
伏見稲荷大社楼門を抜け、千本鳥居を歩いた.無数の鳥居がずっと向こうまで連なる幻想的な風景。冷たくピーンと張り詰めた雰囲気で身が引き締まる。
千本鳥居でも三脚を据えて、20秒間のバルブ撮影を行った。
鳥居の中でゆったりと時間を掛けて写真を撮るなんて、観光客でごった返す昼間の時間帯にはとてもできない。夜の特権だ。
千本鳥居は途中から2列にわかれる。
私は右側の道を選んだ。鳥居がびっしりと並んで、トンネルのようになっているが、鳥居の間から左側の鳥居群を見ると、それもまた幻想的だ。
私が鳥居の中で立ち止まってバルブ撮影をしているとき、ときたま外国人ファミリーや若いカップルが通っていくが、通路に三脚を立てて停まっていても通行の邪魔になることはほとんどない。
バルブ撮影はビデオの撮影ではないので特に黙っている必要はないのだが、あえて喋る必要もないし、無理に喋るとなんとなくブレてしまうような気もするので、基本的には黙っている。
そこへ、あるカップルがやってきた。彼女は込み上げる恐怖感を押し殺すかのように、小声ながらもやや早口にとりとめもない会話を続けている。それを、彼がまるでお化け屋敷デートを楽しむかのように、彼女にしっかりと寄り添って、あいづちを打ちながら歩いている。ふたりは、完全に2人だけの世界を作りながら、こっちに迫ってきていた。
なので、三脚を構えて数十秒間も黙って突っ立ったまま、微動だにせず撮影に挑んでいる私に、彼女の方はまったく気がついていなかったのだ。そして、さらに近づいた次の瞬間、知らないおじさんがじっと立っていたことに気付き、突然、幽霊を見たかのような驚きの声を上げ、のけぞった。
私にとっては想定の範囲内だったので、別に驚かなかったし、なんとも思わなかったのだが、彼女は必死で私に謝り、彼は苦笑いをしていた。気恥ずかしさで、いたたまれなかったのだろう。この状況から逃れるように、先に進んでいった。
これも、2人にとっては言い思い出話になっていくのだろう。ここは、ほんとうにデートには最適な場所だと思う。
千本鳥居を抜けると奥社奉拝所に出る。
そして、鳥居のトンネルはさらに先に続いていく。
熊鷹社にたどり着いた。
ここで社殿のバルブ写真を撮っているときに、男ばかりの若者5人グループが登ってきて、撮影している私を気遣いながら、横を通り過ぎていった。ここまで来ると、他の人たちとはほとんど出会わなくなる。カップルもここまでは上がってこないようだ。
このときは、池に突き出た社殿になっていることに気付かなかった。参道や社殿はライトアップされているが、その奥には森林と思われる深い闇が広がっている。
どこまで登るとゴールになるのかも知らないまま、とにかく上へ上へと登ってきたが、段々心細くなってきていた。時折聞こえる「キーッ、キーッ」という猿の鳴き声が、変に耳につくようになっていた。
ここは、四つ辻の手前だと思うが、④と書いた案内板に一ノ峰まで40分とある。結構上がってきたと思っていたのだが、頂上まではそんなにあるとなると一気に気持ちが萎えて、ここでUターンすることにした。
戻り道。ますます猿の鳴き声が気になりだし。急ぎ足で降りた。
帰りは三つ辻で、熊鷹社の方に左折せず、真っ直ぐ下に降りるつもりだった。
ところが、先の方から、動物のうなり声が聞こえる。
もしかして、イノシシかも…。前方の暗闇に目をこらすと、じっとしているが確かに大小の2つの黒い塊があった。
そこにちょうど、熊鷹社の方から若い男性2人組がやってきた。
「イノシシがいますよ」と伝えると、「ほんとうですか?」と言って、暗闇の方を覗き込み、スマホで写真を撮り始めた。さすが、若者には恐怖を乗り越えようとするエネルギーが感じられる。いざという時、逃げるにしても闘うにしても何とかなるのではないかという希望?期待?が感じられる。
私にもかつて、裏付けのない自信があった。
私もイノシシ親子の写真を撮りたかったが、静かに三脚を立ててカメラを据え、レンズを被写体に向けて、ピントを合わせて、シャッターを切るという、一連の動きをこなせるだけの精神的余裕は残っていなかった。
真っ直ぐ進む道を断念し、若者2人をその場に残し、私はそそくさと熊鷹社方面へ急いで降りはじめてしまった。
今では後の祭りだが、あのとき勇気を振り絞って、1枚だけでもシャッターを切るべきだったのではないだろうか。後悔の念が残っている。
イノシシと猿に対する4カ国語の注意書きは、境内のあちこちに掲示されている。近づかない、餌をやらない、目を合わせない…。
無事に内拝殿の前まで下りてくることができた。24時に近かったが、まだ観光に訪れる人はまばらにだがいた。芸能人かもしれないと思うようなイケメン5人組から写真を撮ってほしいとスマホを渡されたり、先ほど到着したばかりのひとり旅の若い男性が話しかけてきたりもした。仕事の関係で明日の早朝、帰郷しなければならないので、最後の夜を楽しんでいるようだった。
あっという間の2時間だったが、本当に訪ねて良かった。できたら今度は明るい時間の伏見稲荷大社を見てみたいので、早朝から精力的に動いて、一の峰まで登ってみたい。
道の駅ガレリアかめおか(泊)
伏見稲荷大社の駐車場を出たときはすでに、24時をまわっていた。道の駅ガレリアかめおかに到着したのは24時40分過ぎ。
出発前にトレーラーを大型車駐車場に移動していたので、ヘッド車をその前に付けて駐めたのだが、大型駐車場には隣を含めて、すでにトラックが数台駐まっていた。ヒーターを使うためだろうと思うが、トラックのアイドリング音は半端ない。この音はトレーラー内部にも響いてくるので、このままではとてもぐっすり眠ることはできない。
駐車場内をよく見てみると、看板に22時以降に閉鎖されると書いてあった区画も、実際には閉鎖されていなかった。この日だけたまたまなのか、ずっとそうなのかは、分からなかったが、とにかく閉鎖されていないのだから、もう一度、トラックから離れた普通車駐車スペースにトレーラーを移動させた。
多少、手間は掛かったが、快適な環境を取り戻すことができ、質の良い睡眠がとれ、疲れを癒やすことができた。当然、次の日の出発にも何ら支障がなかった。
<教訓>
せっかく富山まで行くのだから、その経路上にある京都はどこかに立ち寄りたかった。雪が降ったら早朝の金閣寺で写真を撮りたかったのだが、そうならなかっただけではなく、到着自体が遅くなった。では、夜に京都の風景を満喫できる場所は?と軽い気持ちでネット検索をし、選んだのが伏見稲荷大社。
しかし、調べ方が浅かったので、実際に訪れるまで、敷地の広さも、歴史の深さも、芸術性の高さも、何一つ理解していなかった。少なくともこことかあそことかのサイトで勉強して、基本的知識を身に付けた上で再度、訪ねてみたい。観光客の少ない早朝に、たっぷりと時間を確保し、軽登山に相応しい装備と服装を準備して臨みたい。それに、サルやイノシシと対峙した場合の備えもしておかないと…https://icotto.jp/presses/7039https://icotto.jp/presses/7039
ちなみに…
「ここ」とは「そこは別世界。伏見稲荷大社の「稲荷お山めぐり」でパワーチャージ」(icotto心みちる旅)
「あそこ」とは「伏見稲荷をディープに楽しみたいあなたに!知っておきたい歴史や不思議なお話!」(TABI CHANNEL)