九州キャンピングカーショー2021を皮切りに阿蘇と奥豊後のふらり旅[7日目・最終日]はな阿蘇美とすずらん公園で花三昧
いよいよ最終日となった。明日は実家に行く予定があるので、今日中に大野城市の自宅に戻らなければならない。微かな可能性を期待しつつ天候回復を願ったのだが、結果的には叶わなかった。
3日前にカフェ遊で、緒方町のMさんに魚釣戸滝に行ってきたことをやや興奮気味に話したときに、「ここには行ったことがあるか?」と教えてもらったうそぐいの滝。雨の心配がなければ、今回、せめて下見だけでも…、との考えだったのだが、なかなか行動を開始できなかった。もちろん天候が整わなかったせいもあるが、3日前の疲れが残っていたことと、その時のウエアや靴が汚れたままだったことが大きく影響していたに違いない。
2021年5月21日(金)の行動履歴
熊本県、大分県、久留米市 <車移動> 138 km 4時間6分 あぴか北側駐車場 11:16 ↓ 車- 3.3 km 6 分 国道212号 経由 ローズガーデン はな阿蘇美 11:22~14:04 ↓ 車- 19.7 km 37 分 県道110号 and 国道57号 経由 すずらん公園 休憩所 14:41~16:18 ↓ 車- 7.6 km 16 分 国道57号 経由 阿蘇神社 16:34~17:00 ↓ 車- 5.4 km 19 分 県道110号 経由 あぴか北側駐車場 17:19~17:24 ↓ 車- 101 km 2 時間 45 分 国道212号 経由 トレーラーの月極駐車場 20:08~20:28 ↓ 車- 350 m 2 分 下大利3338号線 経由 自宅 20:30
あぴか北側駐車場
朝7時半過ぎには起床。公衆トイレに向かうとき、あぴかの空は厚い雲に覆われていた。
今日は、うそぐいの滝に行けるだろうか…。
雨で濡れている山道を歩くのは危険だ。魚釣戸滝への往復で経験したばかりだ。よくもまあ無事に戻って来れたものだと感心するほどだ。登山靴を履いていても、雨でぬかるんだ道は滑りやすい。そして、滑ったら最期という場所は何カ所もあった。三脚を杖代わりのように遣ったために、脚先がボロボロになって曲がってしまった。それほど、体重が三脚にかかっていたのだろう。その緊張感とほどよい疲れ具合が、行動を慎重にさせ、生還に繋がったのだと思う。
うそぐいの滝をネットで検索する。数年前の情報は出てくるが、最近アップされているものは見つけられなかった。それに、どうも一筋縄ではいかない気がした。
下見程度なら「行けない!」と決断するにはまだ早い。でも、天候が回復する見込みがないのならば、下見すらも十分にできないだろうし、写真も撮れないだろう。
じゃあ、最終日の今日をどう過ごすのか…。
重要なテーマなのだが、今日の天候と同じで、気持ちも頭の中もスッキリとせず、PC画面を見ながら、ただうだうだと時間を浪費していくのだった。
10時近くになっても、天候は改善しない。その上、お腹も空いてきた。何を食べる?
冷蔵庫の中に残っていたジャンボ助六と特濃牛乳で、サッと済ませることにした。
空腹が満たされると、いくらか正気に戻った。
やはりこのまま、時間ばかりがただ過ぎていくのは、あまりにも勿体ない。天候が悪くても、写真が撮れる場所はあるんじゃないのか?
PCをこねくり回して、どこかおもしろそうなところがないかと検索したら、ローズガーデンはな阿蘇美とすずらん公園がヒットした。そういえばはな阿蘇美とは、何度も聞いたことがあるのだが、勝手にテーマパークの類いと決めつけて、無意識に選択肢から外していた。人が多そうで入場料も高そうなところは最初から避ける傾向があるのだ。
ところが、現在は経営者変更に伴うリニューアル工事中で、4月29日からバラ園だけが無料開放中だということが判明。しかも、場所は阿蘇野焼き初心者研修会で訪れた阿蘇草原保全活動センターの真向かいだったのだ。
「ならばかなり近いところじゃないか!」
急激に親近感が湧いて、行ってみたくなった。
11時16分、写真の機材を揃えて、ヘッド車に乗り込み、出発。
↓ 車- 3.3 km 6 分 国道212号 経由
ローズガーデン はな阿蘇美
には、11時22分に到着。広々とした駐車場に車を駐めて、入り口に向かう。施設は改修中なので、白い壁で覆われている。
テーブルの上に「本日もはな阿蘇美への御来園有難うございました。バラドームは午後4時30分で閉館いたしました。外ガーデンは自由に散策してくださいね。」のパネルが置きっぱなしになっているところが、おもしろい。
すると、見応えのあるバラの花がたくさん咲いていた。
このときには、ドームの中に来園者はほとんどおらず、手入れをしている女性のはさみの音が響いていた。
「貸切状態に近いな…。」
もちろん、そういった時間は長くは続かず、カップルや夫婦、団体の人達が時々訪れては、しばらくバラの観賞をしては、立ち去っていく…。感動している様子は伝わってくるのだが、コロナ以前のような活気さはない。黙ってあるくか、小さな声で口数少なめに会話するかだ。
私はあいにく1人なので、全く喋る必要がないばかりか時間の制約も受けないので、じっくりと腰を据えて、バラ鑑賞と撮影を楽しむことにした。まあ、それでも夫婦連れからシャッターを頼まれたときと、手入れをしている女性にバラの名前を質問したときぐらいは、喋ったのだが…。
以前のように自由に声を出して感動を伝えられる日常に早く戻ってほしいものだ。
パープルタイガー 米 1992年 ローズミランダ 英 レディ エマ ハミルトン 英 2005年 プリンセス オブ ウェールズ グラハム トーマス 英 1983年 手前は ピエール・ド・ロンサール
奥は ローテ ローゼローテ ローゼ 日 1985年 ピエール・ド・ロンサール 仏 1987年 ブルーネット パシュミナ 独 2003年 ジェネラシオン ジャルダン ピエール・ド・ロンサール レッド カスケード 米 1976年 ガラシャ 日 1995年 黄色は クリーミー エデン
ピンクは アレクサンダージロール黄色は ペガサス 英 1995年 薄紫は アメジスト バビロン アメジスト バビロン パヴィヨンドゥプレイニ 仏 1863年 白は イングリッシュ アイズ ジャクリーヌデュプレ 英 1989年 白は ビエ どぅー 2010年 ラ・ローズ ドモリナール 仏 2009年 アントニオ ガウディ 日 パーマネント ウェーブ 蘭 1932年 パープル タイガー 米 1992年 ホリデーアイランドピオニー 蘭 2013年 ピエール・ド・ロンサール 仏 1985年 ピエール・ド・ロンサール
気が付けば、2時間以上もここで過ごしていた。ドーム内をいったい何周したのだろう…。
西日本新聞の2020年8月28日付の記事によると、このローズガーデンはな阿蘇美は温室と庭園を合わせると750品種4500株のバラが栽培されているそうだ、1999年に開園し、熊本地震前年の2015年には43万人が来場する人気施設だったが、震災後は来場者が激減。2017年に指定管理者が不在になった。そんな中、南阿蘇村の木之内農園さんが指定管理者の公募に名乗りを上げ、2018年度から経営に着手。2019年度は7万5千人を集客した。しかし、またもや今回の新型コロナの影響で来場者が激減。経営難に陥った。これを理由に2020年10月末を以て運営から撤退されることになってしまったのだ。
こういった事態をファンや関係者の間では、今後どうなるのかと気をもんでいたのだが、その後阿部牧場さんが指定管理者を引き継ぎ、今回、再オープンに向けてのリニューアル工事が行われているということなのだ。
14時04分、ローズガーデンを満喫して、ここを後にした。
↓ 車- 19.7 km 37 分 県道110号 and 国道57号 経由
時刻はまだ、14時を回ったばかり…。もう1ヶ所ぐらいは回れそう。ということで、今度は波野にある
すずらん公園 休憩所
にも行ってみることに…。そして、到着したのは14時41分。休憩所に立ち寄ると、店番をしている女性が1人おられた。
ここはスズランの自生地。
「上から見ても見えませんが、大きな葉の下を覗くと見えますよ。今は向こうの案内板から階段を上がったところの柵沿いの左側と、右の下の方の柵沿いに咲いていますよ。」
と教えてくれた。時折パラついている雨のせいで、道沿いの草は濡れている。ズボンでこのまま歩くと、汚れる可能性があるので、あえて、靴下を脱ぎ、靴をサンダルに履き替え、ズボンの裾をまくって、濡れても良い格好になった。
そして、柵沿いに葉の下を注意深く覗きながら歩いた。
そうすると、ざっとただけでは一面、緑色の草原なのだが、よく見ると、いろんな草花が混じり合っており、スズランだけではなく、様々な色や形の花と葉が混在していた。ローズガーデンはな阿蘇美のバラほどの派手さはないが、ここにはここの、素朴な中での自然の豊かさ、多彩さを魅せつけられた。
休憩所内には、この周辺に咲く草花の写真が展示されていた。違う季節に訪れれば、こんなにたくさんの草花に出会えるのだ。
ここでも、自然が用意してくれた素朴な野草の美しさを満喫して、16時18分にここを出た。
↓ 車- 7.6 km 16 分 国道57号 経由
帰宅する前までに飲食用天然水を確保する必要があった。そこで
阿蘇神社
に向かった。阿蘇神社前の駐車場に到着したのは、16時34分。新しい駐車場が作られていた。
自宅に持ち帰る水をタンクに詰めた。
さて、17時00分になった。あぴかに戻ろう…。
↓ 車- 5.4 km 19 分 県道110号 経由
あぴか北側駐車場
には、17時19分に到着した。出発前にトレーラーの内部は概ね片付けていたので、アウトリガーを上げて、ヘッド車と繋ぐだけで、出発準備は整った。
17時24分、出発。
↓ 車- 101 km 2 時間 45 分 国道212号 経由
途中、ミルクロードをくぐった先で、阿蘇北外輪の丘陵地帯の写真を撮ったぐらいで、後はノンストップで福岡に戻った。
トレーラーの月極駐車場
に到着したのは、20時08分。トレーラーを切り離して、区画に駐め、アウトリガーを接地させた後、室内に残していたものと冷蔵庫の中の食料品を全てヘッド車に移した。
20時28分に、駐車場を出た。
↓ 車- 350 m 2 分 下大利3338号線 経由
自宅
に帰り着いたのは、20時30分だった。
今回のふらり旅は、九州キャンピングカーショー2021を皮切りに、阿蘇周辺をぐるっと回る旅だった。
グランメッセ熊本で見た最新型のエメロードの仕様変更、震災後の地域のニーズに応えて始まった益城町のいくばい益城笑店街きやま食堂、魚釣戸滝まで歩いた朽ちかけた歩道、ローズガーデンはな阿蘇美の経営体制の変化と蕾から満開になって枯れていくバラの花たち、そして、熊本地震で被災した阿蘇神社の復旧工事…。時とともに全てのものが変化していく様子を目の当たりにした1週間だった。
阿蘇や奥豊後には最近、よく足を運ぶようになったが、まだまだ知らないところがたくさんある。
今度はうそぐいの滝攻略を目的に掲げて、近いうちに再度、阿蘇・九重・奥豊後のふらり旅に出掛けるつもりだ。