ロケット打ち上げ見学のために内之浦へ[4日目]辺塚海岸で海水浴と川遊び、雄川の滝散策
うーむ、身体がだるい…。昨晩は調子に乗って飲み過ぎた。まだ、寝ていたいが、K.Hさんが出勤される前に挨拶をしておかないと…。それに、Tさんも鹿屋からやってくる手はずになっている。それに、そもそもロケット打上げの延期先が明確になってくれないと、ここに留まるか、それとも別の土地に向かうのか…。それすら決められない。考えることはたくさんあるのに、飲み過ぎたゆえの思考停止。さあ、これからどうする?
2021年7月20日(火)の行動履歴
宮崎県、熊本県、太宰府市、その他 1 個の地域 <車移動> 114 km 4時間10分 <徒歩移動> 2.4 km 50分 お食事処さくら 7:30 ↓ 車- 5.8 km 10 分 国道448号 経由 IHIスペースポート内之浦(宮原ロケット見学場) 7:40~8:02 ↓ 車- 8.7 km 30 分 国道448号 経由 JAXA 内之浦宇宙空間観測所 8:32~9:12 ↓ 車- 4.1 km 9 分 国道448号 経由 円通寺 9:21~9:38 ↓ 車- 450 m 2 分 国道448号 経由 田中石油店 9:40~9:46 ↓ 車- 290 m 1 分 国道448号 経由 内之浦町営駐車場 9:46~9:48 ↓ 徒歩- 58 m 1 分 ニューロケット 9:49~9:50 ↓ 徒歩- 190 m 1 分 瀬里奈 9:51~9:52 ↓ 徒歩- 750 m 1 分 内之浦町営駐車場 9:54~9:55 ↓ 車- 10.6 km 18 分 国道448号 経由 お食事処さくら 10:13~11:38 ↓ 車- 8.5 km 20 分 国道448号 and 県道74号 経由 辺塚海岸 11:58~13:35 ↓ 車- 24.7 km 32 分 国道448号 経由 ほりうちショッピングセンター 14:07~14:09 ↓ 車- 9.9 km 17 分 国道448号 経由 雄川の滝 遊歩道入口 駐車場 14:26~14:37 ↓ 徒歩 - 2.4 km 50 分 雄川の滝 遊歩道入口 駐車場 15:26~15:56 ↓ 車- 7.5 km 22 分 県道562号 経由 雄川の滝上流展望台駐車場 16:18~16:33 ↓ 車- 5.0 km 19 分 県道563号 経由 花瀬自然公園 16:51~17:20 ↓ 車- 6.3 km 25 分 県道563号 and 県道68号 経由 ほりうちショッピングセンター 17:45~18:00 ↓ 車 - 20.9 km 31 分 国道448号 経由 お食事処さくら 18:31
お食事処さくら
朝、6時半頃にK.Hさん宅に行った。いや、いちいちフルネームのイニシャル表記にする必要はない。今後はKさんと書くことにしよう。もう一度やり直し…。
朝、6時半頃Kさん宅に行った。すると、奥さんがおられた。そういえば、普段は別宅で生活していて、朝食のときはこちらで夫婦一緒に採るのだと、Kさんから伺っていた。
「おはようございます。お邪魔します。」
というと
「朝は早いんですね。」
と奥さん。
「いえいえ……。」
いえいえ、そんなことはないんですよ~。ご主人が7時過ぎには、仕事に出られると聞いていましたので、少々無理して起きてきました…というのが正直なところなのだが、奥さんとは初対面。いえいえ…の後がお茶を濁したような返事になった。
Kさんはすでに食事中だった。黙々と…。こちらの体調が投影されていたのかもしれないが、二日酔いが祟っていて、やけに辛そうに見えるし、不機嫌そうにも見えた。何しろ口数が少ない…。
奥さんが台所から食事を運んできてくださったので、「ありがとうございます。いただきます。」と言って、箸をつけた。
すると、Kさんが口を開いた。
「今日はこれからどうする? 私は仕事に出掛けるが、昼までで帰ってこられたら、どこか案内しようかな。ただ、帰ってこられるかどうかは分からない。どうしようかねぇ。」
「たぶん、午前中に国分のTさんが訪ねてきてくれるだろうから、どうぞ、気になさらないでください。自分たちでどこか適当なところを回ります。ただ、トレーラーだけは駐めさせておいてください。」と伝えた。
「今晩は、どうするの?」
「う~ん、そこなんですけど…、ロケットの打上げはどうなりますかねぇ。一両日中にでもあるのなら、もう一晩二晩ぐらいこの辺りで過ごして待つことは可能ですが…。分かりませんよね~。どうしようかなぁ…。まぁ、考えます。」
「そうだね。」
屋外に設置されている公共スピーカーからは、定期的にか、不定期的にか分からないが、時折、役所からの案内放送が流されている。今朝の放送は、本日に予定されていたロケット打上げは延期になったこと。再設定日は未定。決まり次第連絡するといった内容だった。
食事を頂いた後、Kさんを仕事に送り出して、私はトレーラーに戻った。
まだ、身体がだるい…。もうちょっとだけ、寝ていよう。上着を脱いで、ベッドにゴロンと横になった。
ところが、それからさほど時間が経たないうちに、空き地にもう1台のクルマが駐まる音がした。そして、間もなく、さくらの入口で「おはようございます。すみません…。」と、訪ねる声が聞こえた。
Tさんかも…。
ベッドから飛び起きて、身支度を調えた。トレーラーのドアを開け、外を見回すと、やはりTさんだった。
「おはようございます。早かったですね~。」
「ええ、仕事柄、早起きは慣れていますので…。」
「じゃあ、折角だから、早速出掛けますか?」
「そうですね…。どこに行きましょうか…。」
「う~ん、IHIスペースポート内之浦は見ておきたいですね。Googleマップの航空写真では確認しているんですけど、どんな場所か実際にこの目で確かめておきたいし…。」
「JAXAの施設にも行ってみたいですね。」
「同じ方向ですよ。じゃあ、行きましょう。私はトレーラーを繋いでいるので、クルマを出して頂いても良いですか?」
「わかりました。じゃあ私の車1台で行きましょう。」
カメラと小さなバッグだけを持って、7時30分に、さくらの前の空き地を出た。
↓ 車 – 5.8 km 10 分 国道448号 経由
IHIスペースポート内之浦(宮原ロケット見学場)
には、7時40分に着いた。国道448号線から左折して入ってくると、広い砂利の広場がある。ここを「下の段」だと呼ぶことにすると、ここ下の段が駐車場として利用されているようだ。
そして、下の段の向こう側から、ぐるっと回り込むように「上の段」への道がつけられていて、上の段には、アスファルトの駐車場と芝生の広場、展望デッキと公衆トイレと東屋が整備されている。また、上の段と下の段の間の斜面にも階段状の見学スペースが作られている。ここと、芝生の広場がロケット打上げの見学スペースになっているようだ。
北方向に歩いて、上の段の北の端に行くと…。
この後は、JAXA内之浦宇宙空間観測所に行ってみることにした。ただ、ロケット打上げの期間中なので、見学が規制されている区域もある。セキュリティを確保するため、それは当然のことだろう。8時02分に出発。
↓ 車- 8.7 km 30 分 国道448号 経由
IHIスペースポート内之浦からJAXA内之浦宇宙空間観測所までは9㎞未満なので、10数分で到着した。ゲート前の駐車場にクルマを駐めて降りると、守衛さんが近づいてきて、
「JAXAの見学時間は、8時30分から(16時30分まで)なので、この場で、しばらくお待ちください。」
ということだった。そうか…早すぎたか…。あと10分以上ある。
「それにしても、今日は何故、打上げが延期になったのですか? 天気はそれほど悪くないし、台風はまだ遠いので、素人考えではさっさと打ち上げてしまった方が良いような…。と思ったりするんですけどね。」
すると、この守衛さんは、気さくで話し好きな方だった。その上、ロケットのことも好きなのだろう。詳しくていろいろと説明してくれた。そのお陰で、待ち時間も退屈することなく、十分楽しめた。今回の観測ロケット打ち上げ延期の原因は天候不良のためとだけ発表されていたが、それは雨が降らないとか、風が激しくないというだけではなく、雷の場合もある。彼の意見では、発雷確率が高いからではないかとの見解だった。
Tさんが、JAXAのTシャツなどは買えないか?と質問すると、ここを下ったところにある宙の家にはあるかもしれない。以前、その店はここの正門前にあり、営業していたのだが、今年の3月末に移転して現在の場所に移ったとのこと。宇宙に関するオリジナルグッズや町の特産品などが販売されているそうだ。
その他、観測ロケットとイプシロンの飛び方の違いや、イプシロンの時は見学希望者が多いときには抽選が行われたり、自動車の立ち入りを規制しバスでのピストン輸送になった経緯なども話してくれた。
そうしているうちに、8時25分になった。守衛さんのアドバイスに従って、ほんの2~3分だけ早めにゲート前にある受付に向かい、見学の申請手続きをとった。手続きの仕方については前回訪れた4月15日の記事に詳しく書いているので、それを参照していただきたい。今回、打上げ準備中と言うことで、イプシロンロケット打上げ場であるMセンター台地と観測ロケット打上げ場のKSセンター台地の見学が規制されている。
手続きが完了したので、早速、Tさんのクルマに乗り込み、正面ゲートから
JAXA 内之浦宇宙空間観測所
の構内に入場した。8時32分だった。そのまま、坂道を登って、34㍍パラボラアンテナのあるテレメータセンターに向かった。
パラボラの一部と中心部分だけが切り取って、休憩所の屋根としたモニュメントが展示されているが、それは、1962年(昭和37年)から30数年間に渡って使用されていた昔の18㍍パラボラアンテナだ。
この後、さらに奥に進んで、20㍍パラボラアンテナのある衛星ヶ丘展望台に向かった。
この後は、10㍍のパラボラアンテナのある台地もぐるっと回ったが、クルマを降りずにそのまま、正面ゲートまで戻って、入口の駐車場にクルマを駐めた。そして、宇宙科学資料館に向かった。
宇宙科学資料館は5階建に相当する建物で、5階部分に入口がある。ビルの中央には大型のロケットが展示されていて、それを囲むように、らせん状に各部屋が設けてあり、らせん階段を降りていくように各部屋の展示物と説明板を見ていくスタイルだ。
前回は約2時間ほどの時間を掛けて、展示物を見たが、今回はTさんのスピードに合わせて、パパッとチラ見する程度で降りていった。
5階から1階に降りてくるまでの時間差は10分間。すなわち、今回、展示物は僅か10分しか見ていないということになる。
USCオリジナルハンカチ800円、星に願いを(隕石のお守り)850円、宇宙航空ガチャガチャ330円、宇宙飛行士キーライト(ブルー、ピンク)860円、3Dスペースマグネットセット660円、宇宙日本食スペースカレー(ビーフ)540円、日本のロケットシャープペンシル3本セット660円、日本の宇宙開発フィギュア4種アソート770円、ゴリラックマぶら下げぬいぐるみJAXAブルースーツ 1,850円、スペースフード(たこ焼き)540円、スペーススィーツ(チョコレートケーキ)650円、スペースフード(プリン)540円、スペースアイスクリーム(バニラアイス、イチゴアイス)650円、3Dクリスタル(はやぶさ2旅立ち、H-ⅡBロケット、イプシロン)440円、宇宙開発学習鉛筆(日本のロケットシリーズ)300円、宇宙のペンケース(はやぶさ2)990円。
Tさんはこれはじっくり見て、お土産として選んでいた。私にとっては何一つ、心を揺さぶられるものがなかった。人はそれぞれ興味関心を抱くところが違っていて、反応もまちまち…。こういうところがおもしろい。
1階の出口を出て、クルマに戻った。
守衛さんの交替時間は9時なのか、このときは次の人に替わっていた。9時12分にクルマに乗り込み、ここを出た。
守衛さんの情報を元に宙の家にも行ってみた。JAXA関係のグッズと地元の特産物を扱うお土産屋だ。店の周囲をぐるっと回ってみた。
通常の営業時間は 10:00~16:30 で、定休日は水曜だ。ということは開店時間前で、後30分以上もある。
だったら、もう先に進もう。内之浦に行って、食事ができる場所、給油できる場所を探すことになった。
↓ 車- 4.1 km 9 分 国道448号 経由
内之浦の街に入った。すると
円通寺(浄土真宗本願寺派)
というお寺があった。Tさんは寺院巡りがライフワークなので、お参りをさせてもらおうと立ち寄ることになった。9時21分。
Tさんが庫裏に挨拶に行った。そして、入堂とお参りの許しを貰って戻ってきた。
「では、入って、お参りさせてもらいましょう。」
「そうですね。」
Tさんに続いて、お堂に入り、Tさんがお経を唱えている間、後で黙祷した。
円通寺保育園の裏に巨大なコンクリートの建物があった。津波避難タワーに違いない。
登ってみたいので、国道から回り込んで、傍に行ってみた。
残念ながら入口の扉が施錠されており、南方地区避難タワーには立ち入ることができなかった。管理の面からそうされているのだろうが、有事の際にサッと開ける事ができなければ意味が無い。解錠はどういう段取りになっているのだろうか。
そうか…、扉の側面に、破壊可能な避難壁が付いている。マンションのベランダにあるやつだ。鍵が開いていないときは、ここを蹴破って入るというわけだ。
さて、私が避難タワーの周辺をうろついている間、Tさんは、交差点向かいの吉原酒店に入って、中にいたご夫婦と話をしていた。
何をしているのだろう…。
私も横断歩道を渡り、店に入ると…。Tさんは、中におられたご夫婦と和やかに世間話をしていた。
途中から加わったので、話の流れは掴めなかったが、どうやら、おばあさんが電話をかけていた相手先は娘さんのようだ。近くで給油所を営まれているらしく、そこを紹介して、電話で営業中かどうかを確認してくれたのだろう。
円通寺に駐めていたクルマに戻って、9時38分にクルマを出した。まずは給油所へ。
↓ 車- 450 m 2 分 国道448号 経由
田中石油店
に到着したのは、9時40分。女性の店員さんが出てこられた。この方が先ほどの夫婦の娘さんなのだろう。
Tさんは、カードを出し、満タン給油にした。給油後に、お勧めの食事処を紹介してもらおうとしたのだが、そういった情報は持ち合わせておられなかった。
9時46分にクルマを出し、側道から銀河アリーナ方向に進んた。
↓ 車- 290 m 1 分 国道448号 経由
私がかつて、ここで車中泊した経験から2軒の食事処を知っている。
まずは
内之浦町営駐車場
にクルマを駐めて、歩いて見てみよう。9時47分にクルマを降りて…。
↓ 徒歩- 58 m 1 分
1軒目の
ニューロケット
の扉を開け、声を掛けてみるが…。9時49分で早すぎたからだろう、中からの返事は無かった。まだ、準備中のようだ。
前回も興味を抱いて店の前に来たのだが、あいにく閉店後だった。今回は、開店前…、タイミングが合わない。でも、こういったことあるよねぇ~、ここで食べたいにの食べられないもどかしさ…。
もう一軒、別の店に行く…。
↓ 徒歩- 190 m 1 分
瀬里奈
だ。9時51分。ここも人気が感じられない。自動ドアのような扉を手動で開ける。声を掛ける。でも、返事がない。ここも、開店前の準備中のようだ…。
↓ 徒歩- 750 m 1 分
仕方がないので
内之浦町営駐車場
に戻って、乗車。9時54分にクルマを出した。海岸通りに出て、内之浦漁協の前を通って、国道へ。食堂はなさそうだ。とりあえず戻ることにした。トレーラーにはカップ麺があるハズ…。
食堂が開いていないことが判明した途端、強烈に襲ってくる空腹感はいったい何?
↓ 車- 10.6 km 18 分 国道448号 経由
お食事処さくら
前の空き地には、10時13分に戻ってきた。トレーラー内部が散らかっているので、Tさんにはちょっとだけ外で待機してもらって、ザッと片付けた。そして、ベッドをテーブルに展開した。
Tさんに上がってもらって、テーブルで寛いでもらっている間に、やかんでお湯を沸かした。
「確か、カップ麺が2つ残っていたと思うんだけどね…。おかしいなぁ~、どん兵衛 1個しか見つからない…。」
「……。」
「まぁいいか、私は袋麺を作ることにしよう。」
ということで、Tさんはどん兵衛、私は日清ラ王味噌味。
Tさん曰く、「今なら、どん兵衛500円と言われても買う。」
「いやいや、大丈夫。差し上げます…。どうぞ…。」
お湯が沸いたので、いっぱいだでのコーヒーも入れた。まぁ、ラーメンとの組合せとしてはどうだか分からないが、あるもので何とかするのが、キャンプ生活。
ラーメンはあっという間に平らげた。
Tさんは、普段からも愛車で車中泊をしながら旅を続けることもあるので、ふたり掛けの狭いシートの上でも、ごろんとなって寝ることができるそうだ。
そういう私自身も、テーブル席のまま、シートで寝たことは何度もある。PC作業中に睡魔に襲われると、ベッド展開すら面倒になって、そのまま横になってしまうのだ。
起きたとき、身体の節々が変な感じで痛むので、最近では、ベッド展開しておいて、小さなローテーブルで作業をするスタイルになってしまった。だが、すぐにゴロンとできるのも、如何なものか…。すぐにゴロンとできるとなると、すぐにゴロンとしてしまうものなのだ。
話が逸れたので、元に戻そう。Tさんは、狭いシートで右肘付いて、横になっている。そして、時間とともに、なんとなく、目がとろんとしていて、まぶたが重たくなってきている感じだ。
寝落ちを阻止するために声を掛けた。
「この後の予定は、どうなってますか? 何か予定はありますか?」
「ああ、夜には国分で集まりがありますので…。」
「じゃあ、こっちは何時頃出ればいいかなぁ。」
「2時間ぐらいあれば良いので、15時半頃ですかねぇ。」
「ならば、そろそろ出掛けますか? 穴場の綺麗な海岸があるそうなんですよね。辺塚海岸…。」
「そうですね。行ってみましょう。」
「じゃあ、水着を持っていこう。で、今度はそれぞれのクルマで行きましょう。Tさん、ここまで戻ってくるのは大変なので…。」
「そうしましょう。」
ヘッド車からトレーラーを切り離して、11時38分に出発した。Tさんに先に走ってもらった。若いからか、速い。私も昔はそうだったのだが…。今は、反射神経が鈍っているので、スピードが出せない。
↓ 車- 8.5 km 20 分 国道448号 and 県道74号 経由
辺塚海岸
には、11時58分に到着した。道路は広くて交通量が少ないので快適だったのだが、集落に入った後の最後の詰めの部分が、極端に狭隘で、驚いた。
下のGoogleマップ航空写真で説明すれば、黄色い円が辺塚海岸の駐車場。単なる原っぱでトイレもない。そして、そこに入る唯一の道が赤色を着けた狭隘道路。とても狭いのだ。両側の生け垣がボディに当たる事もある。トレーラーを引いていたら、とても無傷で通り抜けるなんて不可能だろう。
その道の様子を見ていただくためにドライブレコーダーの動画をYouTubeにアップした。見てみたい方は、こちらをクリックして頂きたい。
Tさんと私は、早速、クルマの扉を目隠しにして、水着に着替えた。こんなに素晴らしい美しい海なのに、誰ひとりいないとは…。まさにプライベートビーチ!
次々に打ち寄せる波…。結構激しい…。まぁ、台風が近づいているので、その影響もあるのだろう…。
まずは波打ち際で、足だけ浸ける。水が冷たくて、気持ちいい。
もうちょっと…、ほんのちょっとだけ水の中へ。具体的には1~2㍍だけ海の方に進んだだけだ。すると、波が来たときの水深は 2~30㌢ぐらいだろうか…。押し寄せる波は、速くて強い。砂を巻き込んでいるので、結構痛い。しかも、引き波が海の方へ引っ張る力が半端ない。
「うむ?これ、泳いでも大丈夫なのかなぁ??」
今までに経験したことのないような、激しさだ。慎重にならないと…。嘗めたらとんでもないことになるかも…。
もうちょっとだけ進んでみよう。さらに 2~3㍍海の方へ。
すると、太ももから腰の辺りまで水が来た。立っておくのが厳しいので、しゃがんで泳ごうとすると、波に押されたり引っ張られたりと翻弄される。
そして、次の大きな波が被さってきた途端、渦に巻かれたように水中で身体が回転した。
危ない! この波は半端ない! 次の引き波で、水深が浅くなったとき、急いで、一気に浜の方に戻った。
この海岸はとても美しくて、魅力的で…、外から眺めているときは、早く飛び込みたいと思っていた。しかし、実際に泳いでみると、この砂浜は、遠浅の真反対。海に入ると、一気に水深が増し、沖へ流そうとする。
綺麗な薔薇にはトゲがある。これは美しい女性だけに向けた言葉ではなかったようだ…。
水着に着替えて、海岸に出てから、まだ10分ほどしか経っていないが、もう海で泳ぐのは止めにした。
幸いなことに、この海岸には、流れ込んでいる浅瀬の川がある。一ノ谷川だ。海から出て、砂浜を横切ると、その反対側が、川だ。
小さな川が河口手前で広がっているので、水深が20㌢程度の浅い場所もある。そこだと、川の中に仰向けに寝ることができる。綺麗で冷たく、サラサラの水が流れている。気持ちいいし、安全だ。
川の中で、横になったり、河口に向かって歩いたり、ゆったりと過ごした。
砂浜に打ち上げられた流木には、なんか訳の分からない、貝なのか、フジツボの仲間なのか…、ヘンな物がびっしりと付いていた。集合体アレルギーの人は閲覧注意だ。
もう一度、川で泳いで、水着の中に貯まった砂を洗い流した。サンダルは洗ったけど、駐車場に戻る間にまた砂だらけ。
約1時間半、海水浴と川泳ぎを楽しんだが、その間、他の来訪者は0人だった。平日だから?それとも台風前だから?
最初と同じように、クルマのドアを衝立代わりにして着替えた。その必要も無かったかもしれないが…。
まだ、さてどうするか、もう一箇所ぐらいどこかに行くか…。
Tさんと相談して、雄川の滝に行くことにした。13時35分、出発。今度は私が道案内ということで、先を走った。
↓ 車- 24.7 km 32 分 国道448号 経由
しかし、私も鹿児島の道に詳しいわけではない。ナビに頼って走っている。よく考えもせず、雄川の滝を目的地にしたばっかりに、滝の真横に行ってしまった。あ~そうだった。完全な不注意!
気を取り直して、ナビを雄川の滝遊歩道入口の駐車場に再設定して走り出したのだが、またまた曲がる場所を間違ってしまい
ほりうちショッピングセンター
の駐車場でUターンした。14時09分。
↓ 車- 9.9 km 17 分 国道448号 経由
今度こそ間違えないように、注意して走った。で、
雄川の滝 遊歩道入口 駐車場
に着いたのは、14時26分。若干、無駄な走りをしてしまったが無事到着してよかった。
駐車場脇には、お洒落なカフェ、aqua base cafeがある。ここから、雄川の滝の展望所までは、片道1200㍍の遊歩道を歩く。約10分少々の道のりだ。道は若干のアップダウンはあるものの整備されている歩きやすい道。綺麗な川の流れを感じながらの散策なので、楽しい。
前回訪れたのは、4月15日(木)。ここから展望台までの道中については、そのときのブログ記事の方が詳しく記述している。今回は、Tさんの帰宅時間が気になって、遊歩道はさっさと歩いた。
ただ、遊歩道のちょうど中間点辺りにある水の流れ出ていたところのベンチでは、喉が渇いていたこともあって休憩した。
ベンチの後ろにある看板には、「ひんやり、天然クーラー。ちょっと一休み(^^)」と書いてある。
竹筒の先からは、ちょうど飲むのにちょうど良い量の水が絶え間なく流れ出ている。
「この水、飲めますかねぇ?」
「さあ~、どうだろう…。」
看板の横には、蛇口からでる水に禁止マークが付いているが、これって意味不明。この辺に蛇口から出る水は無い!というか、この印には気が付かなかった。
雰囲気的には、竹筒を伸ばして居るぐらいだから、「どうぞお飲みください」っていう雰囲気を醸し出している。
だからといって、無批判に「飲んでみよう」という気にもならなかった。意外と慎重なのだ。
そして、竹筒よりも左に、視線を移した途端、発見した。草陰に「この水は飲めません」とひっそり書いてあるではないか!
「飲めないらしいですよ。ほら、看板に書いてある。」
「ほんとだ~~、飲めませんね。危うく飲むところだった~~。」
「まぁ、でも、よく考えたら、そうかもね。だって、雄川の南側って、森林もあるけど田畑もある。この流れてきている水は農業用水かもしれない…。」
途中に湧き水があるハズ!と思い込んで、飲み物を持ってこなかったことを後悔したが、そのまま歩き続けるしかない。
そして、間もなく、展望台に到着。前回訪れた、4月では、展望台の手前がまだ工事中で仮通路だったが、今回には綺麗に仕上がっていた。
それにしても、今日は平日なのに、これだけ人が多いのか…。前回は、遊歩道を往復する間、誰にも会わなかったのに…。時間帯が今より遅かったことと、コロナに関する緊張感がまだ強かった、ということか?
それとも一般的に観光客が訪れる場所は、ほぼ固定化されているということか…。
ともかく、明るい時間帯に見る雄川の滝は、滝壺のエメラルドグリーンが引き立って、一層美しかった。
展望所は、1階部分と2階部分がある。ぼちぼちではあるが、次から次に人がやってくる。カップルが最も多いが、ひとり旅の人も少なからずいる。
展望所辺りの遊歩道が綺麗に出来上がったので、より歩きやすくなった。ところがこうなると、へそ曲がりは、アップダウンのある旧道を歩きたがるものだ。とは言っても旧道区間は100㍍ほど。その後は、来た道を戻っていった。
↓ 徒歩 - 2.4 km 50 分
雄川の滝 遊歩道入口 駐車場
に戻ってきたのは、15時26分だ。
そしてこの後、私ひとりだったら、きっと寄らなかったであろうカフェ、aqua base cafeに入ることになった。私はお洒落で、高価な店は敬遠してしまうことが多い。一方、Tさんは、滝に行く前から、店の前の看板を見て、食べるものを決めていたようだ。先に入店したカップルに続いて、私たちもオーダー。私はTさんとは別の内容、花の木ファームソーセージのスパイシーキーマカレーチーズドックと地元産辺塚だいだいスカッシュを頼んだ。
そして、店内の左奥にあるテーブル席で、できあがりを待った。
やはり、こういう人気店には人気店になっている理由があるのだ。入って良かった。キーマチーズドッグも、だいだいスカッシュも想像を超えた絶品の旨さだった。Tさんに心底、感謝した。
今回のふたり旅を締めくくるには、相応しい店だったかも…。予定時刻はオーバーしているが、Tさんも楽しんでくれている様子だ。今日は、ここで解散だ。
15時56分、Tさんが先に出て、その直後に私も出発した。ここから県道562号線に出るまでの3㎞ちょっとは、カーブの多い、狭い道が続く。しかし、Tさんはそれを諸ともせずに走る。速い!、間が段々と開いていって、カーブを超えても、見えなくなった。
↓ 車- 7.5 km 22 分 県道562号 経由
さて、この後どうするか…。もちろん、トレーラーをさくらに駐めているので、そこまで戻る必要があるのは明らかだが、すんなり帰るにはまだ時がある。
雄川の滝を上から見る展望所に行ってみることにした。
向かっていると、遊歩道から頭上に見えた大きな橋、滝見大橋を渡った。肝属グリーンロードに架かっている橋だ。ネーミングは滝見大橋だが、残念ながらここからは雄川の滝は見えない。
雄川の滝上流展望台駐車場
への到着時刻は、16時18分。クルマを道路沿いの駐車区画に駐めて、階段を降りていく。
ここからは、柵に寄りかかって、両手を最大に伸ばした状態で滝壺を撮っても、これぐらいしか見えない。メインの滝の落ち口、滝の上部のほんの僅かと滝壺の北半分が小さく見える程度だ。そして、下流方向に視線を移すと遊歩荘の終点の展望所がずっと下の方に見えた。
雄川の滝は、ここから見るよりも、遊歩道を歩いた先の展望所から見る方が、何十倍も素晴らしい。こちらからだと、滝壺に落ちる伏流水のたくさんの小滝が見えないし、滝の上の人工物が目に入りすぎる。同じ雄川の滝を見ているとは、とても思えない。
ここには、長居せず、16時33分にクルマを出した。
↓ 車- 5.0 km 19 分 県道563号 経由
そして、もう一箇所…
花瀬自然公園
を見ておこう。ここには、16時51分に着いた。
駐車場は大型区画3台分、普通車区画15台分ある広めで、管理された公衆トイレもある。もしかしたら、車中泊に使えるかもしれないのだが、今回はヘッド車だけで立ち寄っただけなのでなんともいえない。写真を撮り忘れたので、Googleマップで確認して欲しい。
更に上には、錦江町立 花瀬でんしろう館というオートキャンプ場や遊具のある公園、グランドなどを有するレクリエーション施設がある。
そして、この駐車場から階段を降りると、雄川の川底が、一枚岩のようにびっしりと岩を敷き詰めたようになっていて、そこを薄く浅く水が流れている。これを「千畳敷」といって、2㎞ほど続いているそうだ。もちろん深くなっているところもあるのだが、単なるサンダル履きでも、川の中を歩けてしまうのだ。ズボンの裾をふくらはぎぐらいまでまくって、滑らないように注意すれば、大丈夫。
今日は、よくもまぁ何箇所も、あちこちの水を楽しんだものだ。それにしても、ここも人影はまばらだ。
このまま、川の中を滑らないように細心の注意を払いながら、上流方向にゆっくりと歩いた。
この辺りは、古くから「本藩(薩摩藩)の人は花瀬の奇勝を知らざる者なし」と言われた癒やしの地だったことが伺える。
Webサイト「鹿児島よかもん再発見」にはこの地のことを詳しく解説されている。
さて、駐車場に戻ってクルマに乗車したあと、犬の散歩をしている女性の二人連れにつられて、花瀬でんしろう館の方にも行ってみた。しかし、現在休止中のようで、ひっそりとしていた。17時20分、帰路に就いた。
↓ 車- 6.3 km 25 分 県道563号 and 県道68号 経由
Kさんから今晩はどうするのか?との電話があったので、もう1泊してみると伝えた。すると、夕食は提供するが、量が少ないので、必要ならば買い出してきた方がいいということだった。
JAXAからの発表は、打上げ日時未定となったまま、その後の発表がない。
ほりうちショッピングセンター
に着いたのは、17時45分。途中で引き返したり、寄り道をしたりだったので、少々時間がかかった。今日は、昨日のような失敗を繰り返してはいけない。もし、飲むことになっても、今日は時間を区切って、早めに切り上げよう。
ただ、トレーラーに戻って、つまみが必要になる場合に備えて、惣菜を買いに来たのだ。こぢんまりしているが、地元にも旅行者にも定評のあるお店。シメサバとゴーヤチャンプルーを購入した。
18時00分、出発。あとは一路、さくらを目指した。
↓ 車 - 20.9 km 31 分 国道448号 経由
お食事処さくら
前の駐車場には、18時31分に到着した。
ヘッド車をトレーラーに繋いで、電源を供給した。そして、晩酌用のつまみを冷蔵庫に入れた。ただ、実際に冷えるまでには相当に時間がかかるので、今更入れてもどれだけ意味があるかどうかは分からない。
そして、帰り着いたことを伝えに行くと、招き入れられるままに、上がり込み、食事を頂いた。
今日は、Kさんにとっても、昨夜の深酒が祟って、仕事中もその疲れを引き摺って大変だったそうだ。なので、今日は時間を区切って、夜更かしにならないようにしたいと要望が示された。全く同意。22時にはお開きにすることを最初に取り決めた。
ビールにするか焼酎にするか?と問われたので、今日は基本的にビールだけにして、ペースを抑えたいと答えた。
でも、ここで、「基本的に」という言葉を付加しなければならないところに心の弱さ、隠せない不安がにじみ出ている。
Kさんが、摘まみとビールを厨房から運びつつ、私に問うた。何かかってきたんじゃないのかと…。なので、シメサバとゴーヤチャンプルーを買ってきてトレーラーの冷蔵庫に入れていると答えた。
「だったら、今、持ってきて食べなさい、シメサバは新しいうちに食べた方がいい。」
ならば、ということでトレーラーに戻って取ってきたのだが、Kさんは「自分は食事は済んだので食べない」という。一緒に食べるつもりで買ってきたのになぁ…。
今日も、Kさんとふたりで、語り合った。IHIスペースポート内之浦の後、JAXA内之浦宇宙空間観測所に行って、内之浦の街、戻って辺塚海岸と一ノ谷川で泳いで、雄川の滝、花瀬自然公園…。今日一日の行動を振り返りながら、様々な出来事を話すと、それに応じて、Kさんも関連した話をしてくれた。
例えば、岸良海岸や辺塚海岸では夏にウミガメの産卵があること。そして、それらに注ぎ込む川は綺麗で昔はよく川で泳いでいたことなど…。辺塚海岸はそもそも、砂浜から海に入ると途端に水深が深くなって、波も高いので、海水浴は推奨されていない。以前はそのことを知らない他県から来たサーファーの遭難事故があったことも教えてくれた。
なぜ、その件が、昨日の会話では出なかったのか…。昨日の話題では、辺塚海岸はとても美しい砂浜のある綺麗な海岸。ただ駐車場への通り道が極端に狭い。そこまでの話だったと思う。
今日、辺塚海岸に行ったとき、誰も海水浴に来ていないのは、台風前で若干、波が高いから…。それに平日だから…、くらいにしか考えて居なかったが、そもそも、海水浴には推奨されない海だったなんて…。今、聞いて、改めて驚いた。
確かに、海の中で、高い波をかぶったときには、海中でぐるぐるっと回転させられた記憶がある。それで、これ以上海で泳ぐのを止めて、川に行ったのだ。離岸流の危険性と対処法については知識としては持っているが、実態に対応できるかどうかは、そのときの状況にもよる。
ほんと、事故にならなくてよかった…。
しかし、それ以上に辺塚海岸の狭隘道路、美しい海と砂浜、激しい波を実体験できてほんとによかった。